エジプト2008の最近のブログ記事


先に目次的なものを書いた方が続きを書く抵抗が少ないかもしれないと思って書き出してみる。ただ、全部は書かないかもしれない。

基本、行く前にこういう情報があれば良かったのにということを優先して書く。ホテルの話はそういうもののひとつ。

■ 時系列

[アスワン]

* ビールの悲劇
* アブシンベル
* アスワンハイダム, イシス神殿

[ルクソール]

* ルクソール空港でのタクシー交渉
* ルクソール ハッピーランドホテル
* 自転車でルクソール神殿へ
* ルクソール西岸ツアー
* ルクソール宮殿
* ファルーカ
* エジプトの寝台列車

[カイロ]

* カイロ ホテルロンシャン
* エジプト考古学博物館
* ギザのピラミッドとスフィンクス
* 金曜は銀行定休
* イスラム教の寺院 (1)
* 地元の人の市場
* 発熱とエジプトの風邪薬
* イスラム教の寺院 (2)
* 日曜のハーンハリーリ
* カイロ空港へ: ドライバーとの会話
* 帰りのアリタリア

■ その他

* Lonely Planet のすすめ
* エジプト下痢対策
* エジプト国内線の手配
* 冬のエジプト


アスワンのホテルとして選択したのはクレオパトラホテル。地球の歩き方によると「アスワンの中級ホテルの中では最大規模で、かなり豪華な感じ」とのこと。このホテルを決める時はまだ Lonely Planet を読んでいなかったので、地球の歩き方の説明と値段で決めた。

AsiaRooms.com でオンライン予約でき 1 泊 44 US ドルだった。予約後 AsiaRooms.com から連絡が来て、空港まで無料で迎えに行くから便名と到着時間を教えてほしいとのこと。

Mr. NATO の紙を持ったおじさんの名は Hassan で、ドライバーは別の人。Hassan は助手席に乗り込み、途中通りかかった場所の説明を丁寧にしてくれる。単なる無料送迎にしてはとても親切。で、明日はどこに行くのかと聞くのでアブシンベルに飛行機で行くと言うと、空港への送迎やイシス神殿, アスワンハイダムへのショートツアーの提案をしてくる。

ホテルにチェックインするとロビーのソファーに座ってプランの話をしようと言う。いろいろ値切って

* ホテル → アスワン空港の移動: 40 エジプシャンポンド

(アスワン空港〜アブシンベルのフライトについては日本で手配済み)

* アスワン空港 → アスワンハイダム → イシス神殿 → ホテル (各種入場料やイシス神殿の島へのボート代, 移動費用, チップ込み, 2 人分): 60 US ドル

* さらに翌日のホテル → アスワン空港の移動: 40 エジプシャンポンド

ということに落ち着いた。

空港-市街間のタクシーの相場が地球の歩き方で片道 25 ポンドのところ、僕が勘違いして35 ポンドと思い込んでいたので、まず移動代はタクシーより片道 15 ポンド (= 300 円) 高くついた。

で、アスワンハイダムにはどう行っていいのかわからず、入場料が10 ポンド/人。イシス神殿は、ホテルのあたりからタクシーをチャーターして往復 20 ポンド、ボートが往復で 35 ポンド、入場料が 40 ポンド/人。金額がはっきりしている分を積み上げると 2 人で 10*2 + 20 + 35 + 80 = 155 ポンド。今思うとアスワンハイダムは、アスワン空港からの帰りなので空港からホテルのタクシー代くらいを見ておけば良くて 25 ポンド。そう考えると総費用は 180 ポンド程度。これは日本円で 3600 円程度なので、US ドルなら 33ドル程度だったはず。

ということで、後から冷静に計算してみると結果的に 3000 円ちょっと高くついたが、まぁいっかという感じ。

ちなみに、この Hassan はお金を前払いしてほしいと言う。疑ってかかると、領収書を書くからと言う。まぁドライバーの手配もしなければならないだろうし、半分前払い、半分後払いがある意味フェアだと考え、半額払うことにする (残額は翌日ショートツアーの最後に払ってほしいと言われしかたなく払ったが、きちんと翌朝も迎えに来た)。領収書はノートを 1 枚破って書いたもの。それのサインを見てこの Hassan という名前がわかった。


クレオパトラホテルを出る日、他の客も同じようにチェックイン後、迎えの人とショートツアーの交渉をしていたし、もしかすると空港への迎えはホテルが費用を払っているのではなく、Hassan のようなツアー会社あるいはガイドが持ち出しで行っているのかもしれない。持ち出しでも、空港から現れる客と最初にコンタクトできることにメリットがありそうだし。ツアーの交渉時は、ホテルのスタッフはまったく立ち会わない。

ちなみに、街を走っているタクシーは日本ではクラシックカー扱いをされそうな古い車が多い。見た目が今の車とまったく違う。Hassan たちの車はカローラくらいのサイズの 10 年ちょっと落ちくらいのヒュンダイで、ボディのデザインは最近の車に近い。Hassan たちはそれをちょっとしたアドバンテージだと思っているようだ。それでも排気が室内に漏れてきてキツい。きっと排気ガスを車の後部に通すパイプに穴があいていて、ボディの下部にも穴があいているからだと思う。日本でこの状態では車検を通らないと思う。

ちなみにタクシーの相場より値段が高いのは保険があるからだとか言っていたが、証書も見せない保険なんて無視していいと思う。

ということで、このホテルに泊まるなら、ショートツアーの値段交渉は必要経費を積み上げて、きっちりやった方がいい。まだまだ下げることはできると思う。あと、ツアーを使わず早めにタクシーとの交渉に慣れてしまってもよかったかなと思う。


さて、部屋に通され、トイレを使おうとすると水がうまく流れない。水をためるタンクを見ると、水がうまくたまっていないようだ。フロントに行き、その旨を伝えると、さっそくフロントのおじさんが部屋まで同行してきてトイレのタンクを開けてみる。いろいろいじって試すがなおらないことがわかると、部屋をすぐに変えてくれた。新しい部屋ではそのおじさんがまずトイレを流してみせて、だいじょうぶだねと確認してくれた。Lonely Planet では unfriendly staff と書かれていたが、そんなに悪くないと思う。

地球の歩き方 2008-2009 版に載っている写真は、実物より明るく補正されていると思う。実際はもうちょっと暗くてくすんだ部屋。雰囲気はアテネのゲートホテルにかなり近い (と言っても誰もわからないだろうけど)。

バスルームも古く、バスはユニットバス程度で狭いが、まぁ何とかなる。不潔な感じはないし、お湯もしっかり出る。テレビはほとんど何も映らない。1 チャンネルだけなんか映るが砂嵐だらけという感じ。冷蔵庫もなかったと思う。

結論から言うと豪華でもなんでもないけど、1 泊 5,000 円程度と考えると悪くはない。十分実用的。


あと、朝の 5:00am くらいになると、イスラム教の寺院/礼拝所のスピーカーからアザーンというものが大きな音で流れ始める。Wikipedia によると「アッラーフ・アクバル」の 4 度の繰り返しから始まるとのこと。確かにそう言っていたような。日本のお経や民謡のように節回しのようなものがあり、声を出している人は自分の声が街中に響き回ってちょっと得意げな感じなのかも。意味的には「いざや礼拝に来たれ」という内容らしいが、たぶん日本の選挙カーよりうるさい。Tripadvisor などのレビューで文句をよく見かけるけど、これはエジプトの市街地だったらどんなホテルでもしかたないと思う。高級ホテルの多くが市外にあるのはこれを避けるためかもしれない。もしかしたら、市内にあっても二重窓だったりするんだろうか。そういうホテルに泊まっていないのでわからない。

アスワンでは毎朝 7:00 過ぎくらいに出かける予定があったので、これが鳴って目が覚めたら身支度を整えるというようにいい生活のリズムができた。


朝ご飯は宿泊費に含まれていて、こんな感じ:

コーヒーか紅茶か聞かれるのでコーヒーを頼むとインスタントコーヒーをポットに入れたものを持ってきてくれる。

まぁこのホテルに関してはこんな感じ。悪くなかったような。


Hassan というガイドは、最初の日だけでなく、翌日のアスワンハイダムでも丁寧に説明してくれたし悪い人じゃないかもなぁと思っていたんだけど、そのホテルへの帰り、食事をするなら Nubian Restaurant がいいという。Lonely Planet を見ると、明らかに Nubian House Restaurant という似た名前の別のレストランの方が評価がいいんだけど。で、あんまりその評価には触れずに Nubian House Restaurant というのもあるんだねという話をすると、Nubian Restaurant の方がいいレストランだし近い。Nubian House Restaurant はここから 10km も離れているとか言い出す。Lonely Planet を見る限り 10km というのはさすがに嘘なのでがっかり。翌朝迎えに来たのは別のガイドで、彼の去り際がこれだったので後味が悪かった。なんか少し高い料金も失敗したかなという気がしてくる。

1/12 (土) の話。

運転手にアスワン行きの便だと告げノヴォテルのシャトルバスでカイロ空港 Terminal 1 の Hall 2 に連れて行ってもらうが、入口の荷物の X 線チェックでここからは入れないから隣のビルから入れと言われる。指示通り行ってみると Hall 1 で、中に入って便に対応したチェックインカウンターを調べると Hall 2 とのこと。けっきょく Hall 1 の中を歩いて Hall 2 まで移動する。理不尽。

で、チェックイン前の X 線荷物検査の後、セガフレード・ザネッティがあるので、500ml のミネラルウォーターとカプチーノをカウンターで頼む。事前に値段を聞くが教えてくれず座っていろとのことなので席で待つが、持ってきてチェックを確認すると水が 12 ポンドほどとのこと。この値段はホテルのミニバーより高いし、高すぎるから水はいらないと言うとキャンセルできないなどと言う。その金は払わんと強い口調で言ってカプチーノの分より少し多く払ったら釣りはこなかった。かなり不愉快。

まぁ後から考えると、場所は空港で店は外資のセガフレード・ザネッティなのでイタリアと同じくらいの値段と考えればまぁ妥当なのかもしれない。ただ、事前に価格がいっさい表示されていないのはアンフェアだ。

ちなみに他の売店で 500ml のミネラルウォーターは 6 ポンドだった。

チェックインカウンターはいつから開くのかわからないので何度か見に行って、開いたところを見計らってチェックイン。その後の、ゲート前の荷物のX 線チェックは、機材が壊れているらしくノーチェックだった。こんなんでだいじょうぶなんだか。

ちなみに後からわかったことだが、エジプトの空港はだいたい、建物に入る時にまず X 線チェックがあって、搭乗直前のゲートでも X 線チェックがあるという感じ。

14:30 発のエジプト航空 MS347 便は Embraer 170 という機材で、通路をはさんで 2 席, 2 席という座席配置。バスみたいな感じ。進行方向左側のA 席に座ったが、ナイル川は逆側の窓から見えていたらしく、ほぼずっと見えない。

上空からは砂漠の風景が見える。

遠くに見える湖のようなものは、地図によると紅海のはず。

いかにも風と水の流れだけでできたというような地形が続く。他では見たことのない景色なので見飽きない。本で読んだ通り、ナイル川沿い以外は本当に手つかずのままのようだ。

こちらはアスワンハイダムでできたナセル湖。着陸前にナセル湖の方に回り込んで南側から着陸。

アスワンに着いて到着ロビーを出ると、Mr. NATO という紙を持ったホテルからの迎えが来ていた。もちろん僕のタイプミスではなくて。

今回のエジプト旅行はアリタリア航空で行った。1/11 (金) AZ787 便 (B777) で 14:00 に成田を出るとミラノに同日の 18:30 に着き、3 時間ほど待って 21:35 発の AZ898 便に乗ると 3時間 50分後、現地時間の 1/12 (土) 2:25am にカイロ空港 Terminal 2 に着く。時刻表通りの時間だと 12時間半 + 3時間 50分で合計 16時間 20分のフライト。今回の日程ではエジプト航空の直行便も、エミレーツ航空のドバイ経由も、カタール航空のドーハ経由も取れず、この便がいちばん安かった。

カイロの 2:25am というのは、日本時間の 9:25am。その日のうちにアスワンに国内線で移動するし、到着後とりあえず何も考えず寝られることを優先して、空港近くの Novotel Cairo Airport を予約しておいた。旅ウェブで 1 泊 13,000 円というのが、調べた限り一番安いレート。これでも今回の旅でいちばん高い宿。

カイロでアリタリアのエアバス A321 から降りると、ガイドブックの言う通り入国審査前からガイドが客引きをしている。両替所でビザを買えるので、比較的見慣れたトーマスクックにて米ドルで買い、釣りをエジプシャンポンドに両替し、入国審査を受ける。その後、タクシーの客引きを避けてまずは地下のトイレへ。地下には小さな店があり、現地人らしき人が数人いて怖い雰囲気。個室のトイレはものすごく汚い。流し方がわからず便器わきの蛇口をひねるとなぜだか水を浴びることに。疲労と緊張でよくわからない状況なのに、さらに意味がわからなくなる。しょっぱなからすごいパンチをくらった気分。とりあえず濡れた部分から変なにおいがしないのが救い。

タクシーとの交渉は最初から難航することがわかっていたので、人通りのまったくない道を地図にしたがってホテルまで歩く。地図で見ると 1km くらい。15-20 分くらいで到着したと思う。途中ノヴォテルのシャトルバスに追い抜かれて「しまった」と思ったが、いつ迎えにくるかわからないという評判ではなから期待してなかったのでしかたない。

その後カイロ市内でタクシーの乗り方をつかんだ今となっては 10 エジプシャンポンド (= 200 円) 程度で交渉してタクシーに乗れば良かったとも思う。距離的には 5 ポンドでも十分なくらいだと思うけど、深夜で正規のタクシーがほとんど待っていなかった状況を見るにもっと高くついたかも。

チェックインして自分の部屋に入る。部屋の冷蔵庫 (いわゆるミニバー) はコンセントはつながっているもののまったく冷えていない。その後フロント近くに戻ってみるがビールやミネラルウォーターを買えるような場所は無し。酒を飲むのはあきらめてそのまま寝る。

翌朝、なぜだか奥さんの方が早く起きている。5-6 時間くらい眠っただろうか。

朝ご飯はあきらめて睡眠の方を取ろうかと思っていたが、朝ご飯の食べられる時間までに身支度を整えられたので朝食。ビュッフェスタイルで、温かい野菜入りオムレツもその場で作ってもらえる。生野菜はやめておいた方がいいとガイドブックなどで読んでいたのでパスするが、今思えば食べても良かったと思う。旅行中、これがいちばんおいしい朝ご飯だった。席はガラス張りの窓際で日がさんさんと射し、ものすごく暑い。暑い一日になりそうだと思ったが、その後チェックアウトしてみると外は意外と涼しかった。

そうそう、バスルームは 13,000 円の宿にしては + ノヴォテルの割には小汚い感じ。タオルもかため。でもエジプトの標準からすると悪くなかったと思う。ユニットバスではないので広かったし。

ガイドブックによるとタクシーで市内まで 50-65 エジプシャンポンド (= 1000-1300 円) なので、往復では 2000-2600 円くらいかかる。後述するかもしれないが、普通のタクシーは室内に排気ガスが漏れていたりもする。まったく申し分のなかったカイロ市内の Hotel Longchamps が 1 泊 75 US ドルだったので、移動のコストや睡眠時間を考えると初日この Novotel を選択したのは悪くなかったと思う。

ちなみに「地球の歩き方」には、空港近くの他のホテルでラ・パサージュというホテルも紹介されているが、ウェブで調べた限りノヴォテルの方が安かったような。

チェックアウトは 12:00 まで。14:30 カイロ空港発アスワン行きのエジプト航空 MS347 便に乗る予定だったので、11:30 発くらいのホテルのシャトルバスに乗って移動した。たしか空港行きのシャトルバスは 0 分, 30 分と 30 分ごとに出発だったはず。

あくまでも 2008年 1月時点での話:

行きの成田→ミラノ便で DS Lite を使っていたら、イタリア人のキャビンアテンダントに使っちゃいけないことになっているので電源をオフにするよう促された。なぜ? としつこく聞いたら、イタリアの法律で禁止されているからとのこと。その後「安全のしおり」を見てみると、ゲーム機の使用が常時不可になっていた。

PC は離着陸時以外は利用可能になっており、また日本の法律では無線機能を使わない限りゲーム機も使っていいことになっているので、おそらく科学的な根拠にもどついているというより、PC 禁止ほどビジネスマンからのクレームは無いだろうし、無線機能使っているかいちいち確認するのが面倒だから一律禁止、みたいなことになっているのだろう。というか、そんな感じで法律にするイタリアもどーかと思うけど。

状況が変わらない限り、今後はなるべくアリタリアは使わないことにする。

ちなみに帰り、ローマ→成田便は operated by JAL なコードシェア便だったので問題なく DS Lite で遊べた。日本の風邪薬も出してもらえて、すごく助かった。

JAL 便の印象:

* 久しぶりに乗った 747-400 の内装はさすがに古くささを感じる。

* 機内食はどちらかというとおいしくない。印象的には行きのアリタリアの方がおいしかった。例えば冷たいつゆをかけて食べるうどんが出たが、うどんではないぼそっとした食感でとても食べられない。

* MAGIC-2 という古い機内エンターテイメントが利用されている。各自見たいタイミングに映画を頭から見るというようなことはできないし、チャネル数も少ない。ただ、いいなと思ったのは機能が限られていてもきちんと動作していること。エールフランスやアリタリアは、自分が好きなタイミングで映画を頭から見られるが、故障しがちでうまく動かない、前の席がいっぱいにリクライニングしてしまうとうまく表示されないというような細かい不具合が多く、結局まともに見られないということが多いので。

* ジュースや水をテーブルに置くにも「しつれいします」と言い、窓の日よけを下げるのも客に頼まずキャビンアテンダントが竿で行う、というのはやりすぎのような気がした。やっぱりそういうのが好きな客もいるのかな?

今のところヨーロッパに行く際、最もバランスのとれいているキャリアは僕の中ではエールフランス。機内食も、スタッフの対応も、値段も、設備も、乗り換えをするパリ・シャルルドゴール空港も、総じて良くて好き。

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