2003年10月21日

嫌なプログラミング

プログラミングの嫌なところは、その最中、できるだけ他のことを考えず、
地道にしらみつぶしのように作業を進めていく必要があることだ。考えを発
散させたり、ずっと遠くを見通したり、価値について考えたりしていると、
書かれるべきコードは書かれないままになってしまう。だが、プログラムを
書いていると、逆にそういう頭の使い方が鈍る。どっちが自分にとって重要
かと考えると、考えを発散させたり、ずっと遠くを見通したり、価値につい
て考えることだと思うし、僕自身の興味もそちらにある。だから僕はあまり
速いプログラマーではないと思う。僕は、自分がプログラム以外のことを考
えることを止められない人間なのだといつも思うし、その点に関して後ろめ
たい気持ちになることもよくある。

正確には、プログラムの書き方にはいつでもいくつもの選択肢がある。毎回、
それを吟味するのもいいのだが、たいていは一度決めたルールにしたがって
ごりごり書き進めた方が速いのだ。疑うことをやめた方が速い。そこに問題
がある。

「プログラマーは SE より価値が低い」という社会通念は僕は必ずしも正し
いとは思わない。いずれにせよ、どういうプログラムを書くべきか考えるこ
とに多く時間を使うべきで、それに意味があるからプログラムは動くべきで
あって、だからプログラムを書くことにも意味が生じる。どういうプログラ
ムを書くべきか考えることより、プログラム自体を書かなくちゃいけない時
間が長いとしたら、少なくとも僕自身はもうプログラムを書くべきではない
と強く思うし、そこに切実な危機を感じている。僕が今感じているいらだち
の大きな部分はそれだ。

Posted by noto at 2003年10月21日 00:23
Comments
Post a comment