語らず、笑え

笑いを見た記録・2002年下半期


12月29日/M−1グランプリ
12月27日/M−1グランプリを前に
12月26日/武蔵野芸能劇場「鬼畜寄席」
12月24日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
12月19日/クロスタワーホール「志らくのピン」
12月16日/草月ホール「チハラトーク」
12月6日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
11月29日/新宿ロフトプラスワン「カリカトークライブ」
11月28日/シアターD「タカアンドトシソロライブ「赤鬼と牛」」
11月27日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
11月22日/大田区民ホール「下丸子らくご倶楽部」
11月14日/紀伊国屋ホール「チハラトーク」
11月3日/ルミネtheよしもと「7じ9じネタまつり」
10月30日/なかの芸能小劇場「鬼畜寄席」
10月27日/ルミネtheよしもと「2じ4じ」
10月24日/abc会館「チハラトーク」
10月23日/シアターアプル「WAHAHA本舗「大福祭」」
10月22日/クロスタワーホール「志らくのピン」
10月17日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
10月3日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
9月29日/ルミネtheよしもと「COWCOWの漫才ゲーム」
9月20日/クロスタワーホール「志らくのピン」
9月20日/ルミネtheよしもと「吉本興業をぶっつぶせ/インパルス対ドランクドラゴン」
9月19日/ルミネtheよしもと「吉本興業をぶっつぶせ/カリカ対きぐるみピエロ
9月18日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
9月16日/ルミネtheよしもと「2じ4じ」
9月13日/シアターD「タカアンドトシソロライブ「博士とレスラー」」
9月10日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
9月6日/ルミネtheよしもと「吉本興業をぶっつぶせ/テツ&トモ対タカアンドトシ」
9月1日/富士急ハイランド「お笑いコニファー2000」
8月30日/日比谷野外音楽堂「東京ダイナマイト単独ライブ」
8月29日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
8月26日/ルミネtheよしもと「5じ6じカップ決勝」
8月25日/本多劇場「ダイノジ単独ツアー「楽勝」」
8月23日/ルミネtheよしもと「5じ6じカップ」
8月20日/おおひなたごう「さらば俺に血まなこ」
8月18日/ルミネtheよしもと「2じ4じ」
8月16日/なかの芸能小劇場「鬼畜寄席」
8月14日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
8月6日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
7月31日/「ピンポン」
7月29日/草月ホール「チハラトーク」
7月25日/渋谷ZAホール「マッケンロー」
7月25日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
7月22日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
7月19日/ビデオとテレビに関する雑感
7月13日/日本橋・藪伊豆「柳家花緑落語会」
7月8日/ルミネtheよしもと「5じ6じ」
7月1日/ゲッツ板谷「板谷バカ3代」

12月29日

テレビでM‐1を見る。
私にとって前年の主役は麒麟だったが、今年の主役はフットボールアワー。今まで独特な岩尾のセンスがあまり光らず歯痒く思っていたが、何がどうしたのか、いきなり確実に2倍は面白くなっていた。もともとコントあがりの二人なだけに筋のあるシチュエーションもので才能が開花したのか。ただ単調にボケを否定していた後藤のツッコミも幅が広がって鮮やか。ネタの奥行きの深さは、審査員のダウンタウン松本から客の年配者を笑わしていたことが物語っていると思う。
それにしても一番おいしかったのは笑い飯。ネタが2本もできて控え室コメントまで面白かった。漫才にとってエポックメイキングな手法だった海砂利水魚(ツッコミのセリフでさらに笑いを増幅させる)、シャンプーハット(ほめるツッコミ)に次ぐ、新しいスタイル・ボケの凌ぎあい。ギャグ量が多すぎて笑うのがついて行かないことすらある。もうちょっとマイナーな存在でいてほしかった気もするが、これからテレビでネタを見る機会が増えると思うと嬉しいかぎりだ。
番組終了後、M−1ホームページの掲示板をのぞくと、審査員の判定にじびじび文句を垂れるしょうもない書きこみが氾濫していた。そんなところで叫んだって談志の耳には届かない。本当に批判したいなら舞台に立って談志を反省させるようなネタをするしか手段はないのだから。そんな勇気も才能もない奴は、ただ素直にますだおかだの優勝を祝福してあげればいい。

12月27日

明後日に迫ったM‐1について思うことを少し。
去年の鴻上尚史というくそみたいな起用を反省し、今年の審査員は立川談志、大竹まこと、中田カウスなど、錚々たる顔ぶれになったのが嬉しい。
多分、予選選考はガチンコであろう。しかしハリガネロック、ダイノジ、フットボールアワー、笑い飯という吉本勢の面子を見ると、やっぱり吉本が裏で糸を引いていて、キングコングと品川庄司の次に売り出したい若手を揃えたと見るのは考えすぎだろうか。談志あたりがハリガネロックやおぎやはぎに零点を出したらその疑惑も吹っ飛ぶに違いない。というか大会自体が吹っ飛ぶかもしれない。
予想するのは詮無きこととはいえ、妙な会場票に左右されなければハリガネロックとますだおかだで決勝を迎え、優勝ますだおかだになるように思う。ちなみに私がワイルドカードで出てほしい芸人は麒麟かスピードワゴンで、一番期待しているのは笑い飯です。

12月26日

武蔵野芸能劇場で鬼畜寄席。
鳥肌実はネタを全くやる気がなく、登場3分で全裸になり延々と妄想を演説するのみ。極楽とんぼは学園祭で3秒チムポを出して書類送検になったが、鳥肌はアルカトラズ刑務所に300年収容されることだろう。
殿方充の横綱昇進挨拶を土台にした先の読めないエロ漫談と、元気いいぞうの「木曜ロードショーをたたえる歌」に笑う。それにしてもこの濃い出演陣で3時間は長い。終わってぐったり。ところで前列を陣取った鳥肌ファンの女性群は見事なまでに妙齢&アンタッチャブルフェイス。私がお笑いを見始めた10年前はこんな客層しかいなかったことを懐古する。

12月24日

ルミネよしもとで5じ6じ。
チャイルドマシーンのネタはドラマの脚本。ネタの摩耗についてはなるべく暖かい目で見たいと思っている私だが、それにしても同じネタばかりやりすぎではないだろうか。ほとんどの客が筋を理解しているので爆発的な笑いに結びついていない。クオリティが高いネタを演じられるコンビだけに新ネタ開発をしてもらいたい。そんなに忙しくなさそうだし。
ゴングショーで出て来た大阪NSC出身のジパング上陸作戦は、1分ネタに笑える箇所が3つもあって好印象。私の独自の調査によるとボケのオーストラリア人・チャドはぼんち・おさむの弟子らしい。テントが上岡龍太郎の弟子だったりと、関西芸人の懐は深い。

12月19日

クロスタワーホールで志らくのピン。
演目は「ろくろ首」「心眼」「猫の災難」ときて、シネマ落語「危険な情事」。この時代まさかの夢オチだが、フリが絶妙にきいて場内喝采。年末なので強引なハッピーエンドも清々しく映った。
前座の志ら乃の演目は失念したが、「豚が泥だろうが煉瓦だろうが何で家を造ろうと、所詮豚小屋なんですけどね」のフレーズに笑う。私独自の調査によると私とほぼ同年代で、思春期に聞いていたラジオが完全にかぶっている。要注意だ。

12月16日

草月ホールでチハラトーク。
ここ数回の中ではもっとも完成度が高い舞台。靖史による「たまご」などの学生時代の友人トークはノスタルジーに偏ることなく、ひたすら破天荒で面白い。個人的にはJrが時折見せる力量不足の芸人を見下す瞬間も好きだ。どうでもいいがフライヤーには草月ホールが赤坂見附と青山一丁目の中間のように記載されているものの、赤坂見附から歩くと天竺なみに遠いことに今日初めて気がつく。

12月6日

カリカのMC見たさにルミネの5じ6じへ。
今日の発見。全くネタの構造が見えない森三中。おぼろげながら「黒澤の独唱」と「差別的なオチ」が中核にあるような臭いを感じた。

11月29日

ロフトプラスワンでカリカトークライブ。マスコミ業界でもっとも夜に弱いライターと評判の私は、深夜0時スタートに不安を覚えるが、ライブが始まるとカリカの話の巧妙さにいとも簡単に時の経過を忘れてしまった。
しかし様相が変わったのが午前3時過ぎ。カリカ家城が昨日絶縁を叩きつけたというノンスモーキン中尾が乱入し、場は一気に殴り合いすら起きそうな険悪な雰囲気に。
しかし客を欺くのが好きなカリカ得意の仕込みだろうと、客の大半がタカをくくっていたところ、結局トークは再び盛り上がることなく朝を迎えて終了した。アングルではなく、中尾は怒りにまかせて乱入したのだろうか? そうだとしたら芸人としての未来はかなり暗いと思う。
またゲストのハイキングウォーキングがコンパ程度の話芸でだだすべりだったのに対し、北海道出身のコブシトザンギはツッコミ・ボケともに低いテンションから繰り出される、薄暗い笑いのセンスで笑いの渦を生み出していた。特にコンパに行っても口をきかないというボケの吉村。これほど北国の曇天寒空が似合う男を私は知らない。

11月28日

シアターDでタカアンドトシのソロライブ「赤鬼と牛」。
冒頭の職安コントと最後に披露した漫才はタカアンドトシらしいギャグのスピード感にあふれたネタだったが、それ以外はかなりずるずるの印象で残念。
ライブ中盤から椅子が固かったせいもあり尻の痛みが気になって仕方がなかった。退場時になぜか客に手渡されるキウイを、次回は入場時にもらって尻に敷きたい。

11月27日

ルミネで5じ6じ。
ゴングショーに出ていたポイズンガールバンドという漫才コンビは、最近の若手では久しぶりに見る引きの芸。無機質なルックスも激しさがないツッコミも戦略というより内からにじみでる資質という感じで妙になんだか気になる。
ゴングショーに脱落したパナメもパンチパーマという捨て身のキャラでネタ組に復活を果たした。それにしてもますます上が詰まってる。そのうちくすぶった芸人を大々的にリストラするような気がして仕方がない。サブミッションズや増谷キートンは国が保護してあげるべきだ。

11月22日

下丸子の太田区民ホールで立川志らくの取材。そのまま落語会を見る。
立川志ら乃「粗忽長屋」。前座のくせに腹に一物ありそうな不適な面構えだが、意外に骨格のしっかりした芸をする。フリーペーパーの大喜利に書いてあった「こんな運動会は嫌だ」のお題に対する回答「大金が動く」も悪くない。名前は覚えた。
柳家花緑の「禁酒番所」も立川志らくの「品川心中」も良かったが、びっくりしたのはミッキー亭カーチスによる「堀の内」。ホームレス風の外見から繰り出される涸れた落語がスリリングで面白く、最後は弟子にギターを弾かせて一曲唄うなどやりたい放題。ブルースハープも上手ですっかりファンになってしまった。今度街で会ったら小銭と配給チケットをめぐんでやろう。

11月14日

紀伊国屋ホールでチハラトーク。
一番笑ったのは全身黒ずくめの靖史を見たジュニアが「あなた、備長炭ですか?」と言ったオープニング。いつもほど圧倒的な印象は残らず。とりあえずキレまくりキャラの千原兄弟には、紀伊国屋の中に寄生する資格試験勧誘員を殺してほしい。撲殺で。

11月3日

ルミネで5じ7じネタまつり。トリを務めた木村祐一のスライド芸は誰も真似できない独自の領域。
今回、あまり通わない7じ9じ(休日なので5じ7じ)に足を運んだのは、関西での評価が高い女ピン芸人・友近をこの目で確かめるためだった。しかし実際に見てみると、東京の舞台に萎縮したのか、喋りもコントも首をかしげる内容。女漫才師の青空といい、女性芸人はネタの出来にムラがある気がするのは偏見だろうか、それとも客の意識の問題だろうか。私自身はフェミニストでありウーマンリブなのだが・・・まあ生理あるしチムポついてないからしょうがないかー。

10月30日

なかの芸能小劇場で鬼畜寄席。
ほとんどの演者が前公演の60%ぐらいの出来という低調な仕上がりの中、一人気を吐いたのがチベット太郎。スーツを着たハゲ親父が好き勝手にシャンソン調の替え歌を歌う芸なのだが、経歴・年齢・芸名の由来、何を訴えたいのか全てが謎。さらに普段はゲイ支援センターに勤務しているらしい。そんな親父が突然歌い出した抑揚のないヒップホップは、好きでやっているのかやらされているのか想像がつかず、笑った。どうして靴を履かずに靴下のままなのか誰か聞いてくれ。

10月27日

ルミネで2じ4じ。
増谷キートンが素敵な自分について熱く語るTVプログラムのネタ、「キートンの部屋」。クリーンヒットなギャグが随所にはさまれて爆笑するが、終わってみると気色悪さしか印象に残っていないのが素晴らしい。あとオープニングの自己紹介でもネタっぽい笑いを狙いに行くあべこうじに才気を感じる。
私の斜め前には障害者団体が観覧に来ていて、ネタ途中に間の悪い弦楽器のような笑い声を立てるため、いい悪いの問題ではなくて正直舞台に集中しずらい状態に。すると客席の正反対の側で酔っているのだか壊れているのだか飯場チックなオヤジが奇声を発していて、全ての芸人を困らせていた。しかし左右同じバランスで気になる音がすると、プラスマイナスゼロなのか普通に集中できることを学んだ。劇場とは学校だ。それもかぎりなく特殊学級に近い学校。

10月24日

芝公園abc会館でチハラトーク。
私がその脳が欲しいと焦がれる数少ない芸人・千原Jrであるが、一人大喜利的企画よりも、兄の靖史と掛け合いトークをした方がますます面白い。しかし両者とも器の大きいボケ・ツッコミであるのにかかわらず、最近になって芸風がダウンタウンとかぶってしまうのはどうしたことだろう。
「しゃべり場」のゲストに招かれて、部室から出てこない童貞どもの自己陶酔トークブチぎれたと語るJrに改めて心惹かれるが、先日「AERA」で脱・携帯電話宣言をしていたくせに、不便だからと再び携帯電話を購入したという。信用していい芸人なんてこの世には存在しない。

10月23日

シアターアプルでWAHAHA本舗の全体公演「大福祭」。
座長・佐藤とポカスカジャン・中山によるクマのプーさんを擬人化したベアーズのネタが秀逸。私がディズニーだったら刺客を送りこむであろう有害なネタだ。中山は楽器、歌も達者だが、芝居で見せる身体能力も高い。ヒゲでデブで小男なのに。他にはストロー流鏑馬、メジャー竿頭祭りといったWAHAHA本舗の王道的小ネタを披露していた器用な3人組が気になった。
千秋楽ということで演出の喰始が舞台に協力してくれた大勢の若手無名芸人を紹介。ねこひろし、ウクレレえいじ、寒空はだか・・・誰だこいつらは? 半分知っていた自分が少し嫌いになる。

10月22日

渋谷クロスタワーホールで志らくのピン。
「黄金の大黒」「蝦蟇の油」の莫迦々々しさと、「お藤松五郎」シネマ落語「道」の暗さに落語の振り幅を感じる。舞台が終わってトイレから出ると、早速志らく師匠が私服に着替えて帰るところだった。あまりの変わり身の早さ、双子か? 立川シラク。

10月17日

帰国して何か舞台が見たいなということでルミネの5じ6じに。
1時間20分に及ぶ長丁場のステージは新人コーナーが充実。コンビ揃って非日常的な顔面をしたガールスカウト、関西からの移住組でこなれた漫才のバーチャルトーイ、華のなさを逆手にとった謎の男・有本おっさんと続々合格した。不合格だったリンダも、おきゃんぴー以来かと思われる女の子には珍しいダブルバカコントだったので、再度見てみたい。ネタ組に昇格したジャムトランプも二人が奇人のコントだったので、もしかするとツッコミ・ボケの図式に捕らわれない新しい潮流が生まれているのかもしれない。
そう考えているところに特別出演でダンディ坂野が登場。なぜか「赤潮」という言葉が浮かんだ。

10月3日

旅前なのでなんとなくルミネに赴き、5じ6じ。客が前4列には納まるのではないかというコンパクトぶり。
漫才の中に細かいフレーズギャグちりばめたダイノジは、また新しい水脈を見つけたのでは? と少し胸が騒ぐ。ただ一歩間違えると、ハガキ職人的な単発ギャグの感性に陥るあやうさを孕んでいるのかもしれない。ブラザースの漫才は前半が一番面白いことに気づく

9月29日

ルミネでCOWCOWの漫才ゲーム。COWCOWを筆頭に、若手の新作漫才が見られるという贅沢なイベント。パンクブーブー漫才は学校をキーワードに全体の構成がまとまっていて感心した。
「アドリブでツッコむ」ゲームコーナーでとにかく印象に残ったギャグがある。森三中の大島がボケるパンクブーブーの黒瀬に対して前後の流れ全く関係なく放った一言、
「おまえアトピーだろ!」
実際にアトピーである黒瀬は舞台上で絶句していた。あれはツッコミではない。差別だ。

9月20日

渋谷クロスタワーホールで志らくのピン。
古典は「宮戸川」「佃祭り」「そば清」。「そば清」は以前、鬼畜寄席でヘブリスギョン岩月が演じていたが、なかなかよくできたオチに感服。しかしヘブリスギョン岩月って誰? それにしても噺を三つとも知っていた自分に驚く。
シネマ落語は「トゥルーマンショー」。設定を江戸時代に置き換えただけの、いささか強引な「直訳」であったが、その無理さ加減を含めて面白い。志らくの描写も達者で、映画を見ていない人にも終盤の荒ぶる海の様子は伝わったのではないか。
入っていたチラシを見ると、志らく&花緑落語会のタイトルが「LUCK&GO」。これから落語会を背負うであろうこの二人にしてこのタイトル。追い討ちをかけるように花緑の写真の下には「Ka*Rock」、志らくの下には「Si*Rak」。「Rock」はともかく、「Rak」って何?

そのままルミネの「吉本興業をぶっつぶせ/ドランクドラゴン対インパルス」へ。
テレビの影響か、すし詰めの会場は当日券だと後方の立ち見、壁にもたれて背伸びしてようやく演者の頭が確認できる程度だった。ドランクドラゴンは気色悪いコンビニ店員のコント。しかし質が高いネタをいっぱい持っているコンビだ。芸人のリスペクトも集めているみたいだし、女受けもいいからもっと露出してもいいと思う。近くにいた背の低い少女はジャンプしても何も見えないみたいで、哀しげな瞳がせつなかった。当然あとで思い出して爆笑する。
帰りにツタヤが半額だったのでお笑いのビデオを4本借りて帰る。お笑いを見るのに許容量があるのかは知らないが、そろそろ越えるような気がしてきた。

9月19日

ルミネで10時から開演する「吉本興業をぶっつぶせ/きぐるみピエロ対カリカ」へ。
ベビーシッターにあやされるヤクザを演じたきぐるみピエロも決して悪い出来ではなかったが、カリカとは差がありすぎた。特にカリカ家城の動きはすさまじい。「笑い方指導」のネタで見せた膝が笑う動きはキレに満ちて、アピールタイムで披露した「太陽拳」は横への移動がダイナミックすぎて、思わず惚れ惚れしてしまう。
しかし「乳首攻め」「一本糞」と客が引くのもお構いなしに下ネタ一発芸で応戦したきぐるみピエロの心意気は買いたい。他の客はみんなクーリングオフしていた様子だ。

9月18日

ルミネで5じ6じ。カリカ、チャイルドマシーン、ダイノジという豪華な布陣。
しかし舞台とは分からないもので、どれもはじけた出来ではなく、それよりも冒頭に登場した佐久間一行の街頭販売ネタが面白かった。純朴なキャラで独特の世界観がある佐久間のネタだが、注目した意識をずらすギャグが多用されているのが興味深い。あと覚えているのはチャイルドマシーン山本がしていた趣味の悪いカウボーイハットぐらいか。

9月16日

ルミネで2じ4じ。
可も不可もない2時間。しかしながら「男マンボ」を歌う増谷キートンが意外に受けていて、少し嬉しくなる。劇中でよくアイドルソングを歌う森三中の黒沢は、今日は浅香唯の「セシル」を歌っていた。関西芸人の古いネタも熟知している様子の黒澤。謎の存在だ。たむらけんじのMCは押し引きが自由自在で見事。
ところで演者を紹介するCGは、炎の中から字が現われるという凝った作りなのに「PANK BU―BU―」や「MORI SANCHYU―」とヘボン式表記であったのがとても間抜けだ。

9月13日

渋谷シアターDでタカアンドトシライブ「博士とレスラー」。
1500円という値段が申し訳なくなるほど、中身の濃い舞台。言葉遊びや繰り返しが軸のオーソドックスな漫才は、なぜか全く古い印象を与えず素直に笑えて、スピーディーな展開が気持ちいい。8年のキャリアがそうさせるのか、家族をテーマにしたフリートークまで面白かった。
結構手間がかかっているはずなのに、それでも全くやる気を感じさせないタカアンドトシ。タカの不健康さ、トシの鼻の低さも魅力的である。

9月10日

カリカ見たさにルミネの5じ6じへ。
はたしてカリカは面白かった。審判員と鶴の恋愛という相変わらず著述困難なネタ。
終わってルミネを出ると、青山ブックセンターが村上春樹の新作「海辺のカフカ」を特設販売していた。俺が見たいのは「海辺のカフカ」ではなくて「ルミネのカリカ」だ、と水道橋博士のような体のいいギャグを思いついて、その汎用性のなさを含めて思わずうっとりする。

9月6日

ルミネで10時から開演する「吉本興業をぶっつぶせ/テツ&トモ対タカアンドトシ」へ。
前のほど3列を陣取っていたテツ&トモファンらしき社会人軍団は、「なんでだろう」ソングに大爆笑。最悪である。私は芸人の悪口を好まない。しかしあるあるネタとショートコントの何が面白いのか。頼むから吐血しながら死んでくれ。
温和な性格の私であるが、テツ&トモの勝利を見届けると激昂して会場をあとにした。帰り道、気がつくと「なんでだろう」を口ずさむ自分を発見し、京王線に飛びこみかける。

9月1日

富士急ハイランドへお笑いコニファー2000。「お笑いのフジロックに言って来た」の一言が言いたいために、ビーンズ遠藤と車で向う。
炎天下でうなじがジリジリ焼けつく、とてもお笑いを見るのに相応しくない環境で4時間もライブ鑑賞。生ビールも泡ばかりだ。
青空の下、汚れ芸で乗りきった劇団ひとり、終盤のだれた空気をテンション高い漫才でひきつけたアンタッチャブル、精緻な演技と構成が大会場でも十分通用したバナナマンが印象に残る。全26組、終わってみればなかなか満足の行くライブだった。
嫌がるビーンズ遠藤を説き伏せて、思い出作りに絶叫マシーンに乗りこんで帰る。夏の終わり方としては最悪だ。

8月30日

日比谷野外音楽堂で東京ダイナマイト単独ライブ。
コントは「面接」「兄弟」など4本にそれぞれのピンネタ。今まで見た新生東京ダイナマイトは砂糖とハチミツを一緒に口に含んだような味の強さで、交じり合ったコンビの色が伝わらなかったが今日の出来はバッチリ。松田大輔の奇行キャラ、ハチミツ二郎の異彩を放つ言葉のチョイス。お互いの良さが栗ぜんざいのように調和していた。
それにしても無謀としか言い様がないこのライブ、会場後部を封鎖する「いんぐりもんぐりの武道館」システムが功を奏したのか、集客はなかなか健闘している印象。主催者発表の800人はおそらく水増しであろうが、何はともあれ成功に終わって実にめでたい。
客席には清水宏、青木さやか、大川興業の三平×2、米粒写経の居島など、一流芸能人が勢揃い。その華やかさはまるでK1のリングサイドのようだ。

8月29日

ルミネよしもとで5じ6じ。
夏の終わりにかかわらず客席はそれなりに盛況。しかし出演者はコブシトザンギ、サブミッションズ、ポテト少年団、ホヘト・・・こんなマイナーな顔ぶれの一体誰を目当てに? それは自分を含めてだが。
初めて見たサブミッションズのコントは、暴走族ネタで意外にまともな構成でビックリ。デブの方が披露した平井堅の真似が上手で二度ビックリ。相方の前田(談志の物真似が得意)は30歳をすぎているらしい。これには驚かなかった。

8月26日

ルミネよしもとで5じ6じカップ決勝トーナメント2日目。
激戦を制した優勝はブラザース。振り返ると何か際立ったネタがあるわけでもない。しかし客席の空気を見方につけ、笑いのアベレージを落とさずに決勝リーグを5連勝。地味ながらも観客がみんな納得する結果に落ちついた。
それにしても終わってみて思い出すのは、決勝で星を落としたカリカのネタばかり。能のパロディ「YO−YO」、妖怪カップルの悲哀を描いた「レクチャー」、決勝なのに客を巻き込んだ実験的ネタ「誕生日」。笑いに身をゆだねながら、自分が何もできない歯痒さを味わったのは久しぶりだ。かなわない。面白すぎる。しばらく私はカリカについていく。優勝して5じ6じを卒業できなかったのは嬉しい結果かもしれない。

敗北の瞬間、さらに顔を白くさせたインパルス板倉。うつむいて顔を上げれなかったチャイルドマシーン樅野。なぜか脱ぎだしたまちゃまちゃ。点数表示ランプを蹴り上げたハローバイバイ関。なぜか脱ぎだしたまちゃまちゃ。笑いに優劣は存在する。それが示される瞬間は残酷だ。私はそれを目撃するために来年もルミネに赴くに違いない。それにしてもまちゃまちゃはなんで脱いだのだろう。

8月23日

ルミネよしもとで5じ6じカップ決勝トーナメント。18ネタ、2時間40分の長丁場だったので、印象に残った芸人についてつらつらと。
5GAPS。この時代に体技をいかした忍者コントに衝撃を受ける。十数年前にちびっこギャングを見て以来ではないか? どうにも芸人間で人気があるネタらしい。確かに見ているうち、あまりのベタさに妙な心地よさに包まれた。サカイストに惜敗。
インパルス。単独ライブで演じた天才犯罪者風男がキセルで捕まるコント。冒頭の緊迫したフリから種明かしをした瞬間、会場は大きな笑いで風圧が生まれた。笑いの深度が深い。ダイノジに金星。
トータルテンボス。主婦二人の会話に吉本芸人の名前が異常な数織りこまれるコント。ダジャレかもしれない。ギリギリで内輪ウケかもしれない。事実、前席の芸人に疎いOL二人はきょとんとしていた。しかしそれを差し引いても、これは評価に値するうまさだ。このコンビはビジュアルのチャラチャラぶりに反してネタ作りに才気を感じる。タカアンドトシに勝利。
カリカ。女刑事カタ・クリ子が時計を殺した時計を取り調べるという説明不可能なネタ。シュールな演劇なようでもあり、分りやすいコントのようでもある。浅くもあり、深い。単純であり、多様だ。とにかく脱帽。久しぶりに笑いながら脳をいじられる感覚を味わった。佐久間一行に辛勝。
最終戦はBコースVSブラザース。ニブンノゴ!やロバートといった吉本がプッシュするトリオに押されて、不遇な印象が強かったBコース。しかし予選リーグではライバルトリオ2組とカリカを破り、1位突破を果たす絶好の機会とストーリーに恵まれた。そしてこの日、最終戦までの9対戦全て先行が勝利するという偶然が起き、Bコースははからずも先行に。
果たしてBコースは負けた。
しかもネタが終わった審査手前の舞台ではギャグがすべり、仲間割れ寸前を垣間見せる最悪の事態が。予選で起きたBコースの奇跡はこのための壮大な前フリであったようにしか見えない。笑いの神様は残酷である。
対戦相手のブラザースはテレビで見ると印象が薄いが、生の舞台では笑いをきらさない筋運びに長けている。説得力のある漫才で本日2連勝。
予選リーグでロバートが消えた。森三中が消えた。今日の第1回戦でダイノジが消えた。タカアンドトシが消えた。増谷キートンは最初から消えていた。3日後、いよいよ覇者が決まる。ステージを見終わって昂揚しているので、たまにはこんな恥ずかしい締め方をしてもいいだろう。

8月20日

おおひなたごう「さらば俺に血まなこ」を読了。
それほど熱心にギャグマンガを読まない私だが、唯一声を出して笑えるおおひなたごうの単行本は必ず買っている。その密度の濃さからすぐ息切れしてしまうのでは? と読み始めた当初に抱いた心配も杞憂に、ストーリーではなくギャグを中心に構成された作品は全く質が落ちていない。藤子不二夫F先生支持者の私としては、その牧歌的な描線も好みであり、真っ当にギャグに取り組んでいる数少ないマンガ家であると思う。
さて本を読み終えたその日、生まれて初めて新宿のゴールデン街で飲んでいたら、カウンターの隣席で飲んでいたのが「おおひなたごうの妻」を名乗る女性。興奮して名刺とダカーポを贈呈したが、よく考えるとそんな都合のいい偶然が起きるはずがない。しかし夜が開けて現実と記憶を訝しんでいたら、おおひなたごう夫妻からメールをいただく。
本人だよ本人、現実だよ現実。こないだ取材で本上まなみに会えた次ぐらいに嬉しい。おおひなたごうさん、ありがとうございます。いつか仲良くなって、昔通販で購入した手製Tシャツが小さめだったことを指摘できるようになりたいと思います。

8月18日

ルミネよしもとで2じ4じ。芸人16組が登場し、コントに秀作が目立つ日。
5じ6じカップにおいて過去5戦で1勝ではなく1ポイントしか獲れていないポテト少年団は幽霊旅館を舞台にしたコント。どれだけつまらないのか期待していたところ、展開とギャグに無駄がないキレイなコントで驚く。
トータルテンボスは手が異常に長い転校生のコント。少し2丁拳銃の「おでこが長いバイト定員」ネタとかぶっているかも。しかしアクこそ強くないが、守備だけで飯を食べている中堅野球選手なみに手堅い仕事をするコンビだ。
森三中は未来からミュージシャンがやってきてギャルを誘拐し、巨大なコーヒーを共同作業で作るという全くよく分からないコント。たぶん演じている本人たちもよくわかっていないと思う。この世で暮らしている誰もが森三中について何も理解していないような気がしてきた。

8月16日

なかの芸能小劇場で鬼畜寄席。浅草キッドが主催していた浅草お兄さん会から、トンパチプロを経たフリー芸人が集うライブである。
半裸の奇行漫談、猫ひろし。座標軸が全くどこにあるか分らないギャグで落語を構築するヘブリスギョン岩月。ホモでハゲでオヤジのシンガー・チベット太郎(ゲイなんてお洒落なものではなく、あれはホモだ)。エロ漫談家・殿方充。どう見ても私より年下に見えない漫才師・米粒写経。濃い。で、場所は中野。濃すぎる。劇場というより阿片窟のようだ。
しかしながらあやうい方向性の笑いばかりが集結した空間は私の好みであり、最近見た中では頭ひとつ抜けて良いショーケースライブ。自作映像にアフレコをする活弁師・山田広野は、チャーリー東京を陰陽師に見たてたギャグが秀逸だった。
終わってみれば出演者の半分が座布団の上で語る高座スタイルであった。よく考えれば会に「寄席」がついている以上当然なのだが、ほとんど「鬼畜」の印象しか残っていない。

8月14日

ルミネよしもとで5じ6じカップ。
期待していた筋肉系芸人・増谷キートンは刑事コントだったが、肌の露出はノースリーブだけというていたらくぶりにガックリ。この日一番うけていたサカイストも評価に価するようなギャグはなし。
しかも俺の前に座った女が江角ばりというか布袋ばりのワンウェイドライブ巨人女。さんざんな一日である。そのまま鹿児島料理屋に向かうと、渡辺えり子似の女店員に同行したビーンズ遠藤が口説かれていた。帰宅途中でおなかをくだす。一日早い終戦記念日。

8月6日

ルミネよしもとで5じ6じカップ。
初見のピン芸人・あべこうじは、ほのかに気色悪さを漂わせながら、それなりに飛躍力のあるギャグを織り交ぜる漫談。独特な抑揚もあって興味を覚える。MCのハリガネロックは場数が違うせいか、仕切りが相当達者だ。
後に座った女は聞こえる会話からして情熱的なお笑いファンではないのにかかわらず、拍手の音が異常にデカかった。どう考えても拍子木を持っていたとしか思えない。

7月31日

銀座の映画館で「ピンポン」を見る。
卓球部員の荒川良々(たしか太田という役名だった)に目が釘付けになる。邦画を見ていて登場人物の面白さに嫉妬したのは、「Shall we ダンス?」の竹中直人以来だ。
平田オリザ風に言えば、俳優と役のコンテンツが一致しているというだろうか。しかし演技なんだか朴訥なんだか狂気なんだか、皆目見当もつかない存在感。若手なのに。
主人公のペコ(窪塚洋介)は最後に世界を目指してドイツへ旅立つ。その途中でバリ島にトランジットしたに違いない。「ピンポン」続編は叶姉妹のおっぱいをラケットで叩き続ける「シリコン」でどうだ。

7月29日

草月ホールでチハラトーク。
自分は正当性あるとかたくなに信じている主張をして、対ツッコミ、対客席に生まれる理不尽感を笑いに変換するというのは、「ガキの使い」以降、素人の間でも定着したギャグの常套手段だ。
しかしそれをネタとして成立させるのには相当な手腕が必要で、ほとんどの若手芸人は松本の形ばかりなぞって、面白いグルーヴを何ひとつ生み出せない。
今回、千原Jrは社交的な兄の靖史に向かって自分が携帯電話を解約した正当性を主張。勝手な理屈をこねまわして当然最後はやりこめられるのだが、ワンテーマを見事に笑いをきらさず構築した。時折、Jrが垣間見せる「上手いこと言い」能力も注目に値する。
それはともかく「礼儀知らず」「学芸会レベルの芸」と匿名で罵倒した若手芸人が関西芸能偏差値が50の私にもキングコングであることは明らかだったが、あれはファンダンゴTVで放送できるのだろうか? そういえば前にもカメラが入っているのに桂三枝師匠をコキおろしていた。才能がありあまる千原兄弟がブレイクできない原因はこんなところにあるかもしれない。

7月25日

渋谷ZAホールでオフィス北野の若手ライブ「マッケンロー」。
超若手のよろしくゲレーラ。ルックスも佇まいも全てが洗練されていない極みだが、「カラオケ? 行っても俺、君が代しか歌えないからイヤ」など、ところどころ峻烈なギャグが走る。第三勢力のコントは大川興業の若手らしいオルタネイティブな世界観の手堅い出来。
フリートークではマキタスポーツとハチミツ二郎のお笑い身体能力の高さが相変わらず際立つものの、そろそろその笑いの風圧をネタでも発揮してほしいと思う。
それにしてもコンビ名が「よろしくゲレーラ」だの「東京ダイナマイト」だの、芸名が「ガンビーナ小林」だの「ハチミツ二郎」だの、売れそうな気配がする名前を見かけないのがすこぶるキュートな空間ではある。

7月25日

ルミネで5じ6じカップ。
パンクブーブーの漫才は手垢がつきまくったサザエさん&ドラえもんのアニメネタ。一瞬うんざりするが、熱量が高いギャグを詰めこんで完成度は高い。ボケのデカくてブサイクな面構えといい華があるコンビだ。
しかし若手が繰り出すドラゴンボールネタはいい加減縛りを入れるべきだ、とぼんやり考えているところに、5GAPのコントのタイトルが「泥棒」。7月8日でも書いたがもう一回書かせて。ここは本当に21世紀なのか。

7月22日

ルミネで5じ6じカップ。
芸歴が長いわりにパッとしない印象のブラザース。期待しないで見ていたら目が覚めるような漫才だった。ラジオ体操の筋ネタの中に細かいくすぐりを入れて、タカアンドトシに5−0で圧勝。胡散臭い日本語を使いこなすボケの谷口がこの勢いを持続できたら、大会に波瀾を巻き起こすかもしれない。
それにしても会場が混んでいる。ボキャブラブームの余波がこんなところに?と訝しんでみたが、ただ夏休みに入っただけのような気もする。

7月19日

最近見たテレビやビデオの雑感を。
雨上がり決死隊お単独ライブ「理由なきサブマリン」。蛍原が天然か計算か微妙な匙かげんでボケている時、このコンビは本当に面白い。無名時代の麒麟が出演して宮迫にドロップキックを食らっていた。
爆笑オンエアバトルセレクト「ますだおかだ」。空回りキャラが定着したツッコミの岡田だが意外にツッコミは適確で、フリートークでの場回しもボキャブラリーが豊富。しかし練習しているようにも笑いに情熱があるようにも全く見えない。不思議な男だ。奥さんは元・松竹芸能の女性芸人。ますます不思議だ。
テレビ東京「だれでもピカソ」のWAHAHA本舗特集。伝説のガチョーンケチャを初めて見る。感想も何もない。アホだ。しかしアホを続けることは困難な作業であり云々など言う気もおきない。アホだ。

7月13日

日本橋の蕎麦屋「藪伊豆」で柳家花緑落語会。
土曜の昼下がりに日本橋の蕎麦屋で落語。粋である。演目は「猫の災難」と「御神酒徳利」。
取材を申し込んだら招待されて、しかも会が終わったあとは膝をつきあわせて蕎麦まで御馳走になる。蕎麦入りアイスが美味しかったら誉めるわけではないが、初めて生で見た花緑の落語は達者で楽しめた。
ところで店の名前は藪伊豆。ヤブイズオーバー。すごいな俺は。笑いの神様が降りてるな。

7月8日

ルミネよしもとで5じ6じ。
筋肉コントの増谷キートン、チビのヤザワ風漫談(英)タナカ、出生不明女性芸人キシモトマイ、地上波に不適なピン芸人3人を一気に拝めたのは嬉しいかぎりだ。
1時間の中でその場で足踏みをする「おっかけコント」を3組見れたのも新宿が起こした奇跡といえよう。あと若手コンビが冒頭のかけ声で、
「コントー!合コーン!」
ここは本当に21世紀なのか。

7月1日

ゲッツ板谷「板谷バカ3代」を読む。
軽い文体で書かれた身内ネタ。私が好きになれない作風であるはずなのだが、父親ケンちゃんがふりまく言動はほとんどシュールの域に達していて、どうにも面白い。バカとは技術ではなく、肉体であることをこの本は教えてくれる。
また思わず呆然としてしまう程のギャグのダム開放&鉄砲水放水・浅草キッドの時事漫才集「発掘」を完読。爆笑問題「日本原論」との比較や、固有名詞の笑いが持つ奥行きについて思いを馳せた。しかしロッキングオン社は単行本ではいい仕事をする。雑誌は仕事が高尚すぎて私には理解できないが。


(過去の笑いを見た記録)

(最新の練乳工場)