バックナンバー・練乳工場(1月上旬)


1月10日/石原都知事は門松を米兵を刺すものとして解釈

年末号のAERAを読んでいたら、1年分のダジャレコピーを一挙に掲載していた。
1つ読んでも尻子玉がぽろぽろこぼれ落ちるのにそれが50連発。参考に少し転記すると、
「黄金週間・うれしいなリンゴ」「お堅い大統領候補ですね、ゴアゴア」「シラなカったワ、教授」
何だこのギャグは。戦後の漫才か?早慶戦か?上の丸い真空管ラジオから流れてきて荒んだ国民の救いになるつもりか?
さて俺は年末にノートパソコンを買ったため、今まで使用していたマイコン(アタリ社)搭載のメールソフトを使わなくなる。 そこでAERAに対抗して発信済みメールタイトルを選んで約50載せることにした。
著作権はないので好きに使ってください。ソフトの件名順に選んだのだが、元ネタを知らなくても俺は関知しない。

「UNOを忘れて修学旅行中止」
「イケナイコトカイ(軍事制圧が)」
「エロ本回し読みで経費節減」
「うれし!たのし!大好き!(芋洗いが)」
「うれし!たのし!大好き!(昆布漁が)」
「ウォーターベッドの中身は寝汗」
「カリスマ店員は談志のファッション」
「ゴウコン。それは剛田剛コンサート」
「これが答えだ!(アテスト模試の)」
「さきいかつなげてバンジージャンプ」
「伊良部。その存在がボーク」
「サムソン(中日)の襟足はボーク」
「南海龍は存在が物言い」
「シャンパンの栓がサンタの眉間を直撃」
「スターバックスで三角パックをオーダー」
「スノコを抱える陸サーファー」
「ソリティア世界一。それは童貞の証明」
「漢字博士は「無花果」で勃起」
「ダム放水。流れるソーメン」
「どっちの料理ショー、仁丹vs梅仁丹」
「ネクタイで馬を叩いていたら減速」
「バイトに遅れそうだから今日のアンコールは中止」
「パスポートの写真がプリクラの国に敗戦」
「ビーチはパニック。略してビーチク」
「フライングVを使って巨大パチンコ」
「ベルマークで購入した軍用機」
「ポストペットに登場したモモを狩るマタギ」
「医者の吉田の酒代は俺の家賃より高い」
「メダルは銀でも、笑顔は金・・・」
「もの食うひとびと(出前で)」
「ヤワラスマイルに教育的指導」
「ヤワラスマイルにコアラがストレス死」
「ヤワラスマイルに五輪の輪が一個取れた」
「飲む。打つ。土産屋でペナントを買う」
「夏だ!海だ!男尊女卑だ!」
「家族会議で俺不信任案が可決」
「街道をゆく(リニアで)」
「帰国子女は「レイディオ体操」と発音」
「犬に噛みついて狂犬病が感染」
「駒田が扱いに激怒!カリブに帰国」
「国境の南浦和、太陽の西川口」
「時効寸前でモー娘。に応募」
「自由席に本当の自由はない」
「手紙を入れた小瓶で尿検査」
「手錠とミサンガは似て非なるもの」
「重罪発覚!神奈川県警、プールで放尿」
「食べたあとすぐ運動するとアスリートになる」
「身体検査で勝負パンツ」
「人間失格。志望校は合格」
「腎臓を売ってマイルをためよう」
「雪を食うやつに知性があったためしがない」
「選挙カーでキャノンボール」
「オリンピック選手村でピンサロを探す近鉄の中村」
「早漏だけどバイトは遅番」
「地域振興券片手にカジノへ」
「竹刀がない時はパピコで剣道」
「点滴で誤ってフルーチェを投与」
「超能力学園Zを主席で卒業」
「伝説のチャンピオン(かるた取りの)」
「東へ西へ。間をとって家でフテ寝」
「日能研カバンで登山して遭難」
「買ってはいけない(日曜日に「ぴあ」を)」
「僕はここ(職安)にいる」
「無職にとって人生はマトリックス」


1月6日/おはロックの次はOiパンク

2001年新ドラマガイド

「女子アナ」(フジテレビ系・毎週火曜日午後10・00〜10・54)
1月9日(第1回)
新人アナウンサー・磨亀(大橋マキ)の初仕事は、ソンミ村で米兵にレイプされたばかりのベトナム人に笑顔でインタビューすること。 一方、スタジオでは同期の便所(龍円愛梨・下平さやかのダブルキャスト)が本番の意味を間違えて大騒動になっていた。 同じく同期の真理(永真理)が顔面アップの1分ニュース「ショットガン」に出演して、日本中のテレビのヒューズが吹っ飛び、 各地の原発で事故が起こる。

「ロケット・ボーイ」(フジテレビ系・毎週水曜日午後9・00〜9・54)
出演/織田裕二・ユースケ・サンタマリア・京野ことみ・中島朋子ほか
1月10日(第1回)
ロケットの先端に織田裕二(大橋マキ)をくくりつけて、大気圏を超えても笑っている様をNASAから生中継する。
1月17日(第2回)
ロケットの先端にユースケ・サンタマリア(大橋マキ)をくくりつけて、大気圏を超えても笑っている様をNASAから生中継する。

「白い影」(TBS系・毎週日曜日午後9・00〜9・54)
出演/中居正広・竹内結子ほか
1月14日(第1回)
看護婦の倫子(竹内結子)は勤務先の病院を移ったのを契機に新潟から母・清美(市毛良枝)を 呼び同居(日野正平)を始める。倫子が当直の夜(稲川淳二)、緊急患者(小倉一郎)搬送の連絡(勝又洲和)が入った。 だが当直医の直江(中居正広)は自分が孕ませた女の堕胎手術で忙しい。

「気分はパラダイス!」(毎週水曜日午後9・00〜9・54)
出演/W浅野・岩城洸一・阿藤海とかそのへん
1月10日(第1回)
玲子(浅野ゆう子)は都内の高校に勤務が決まったトレンディ教師。生活感のない広尾の3LDKから電車で初出勤しているところ、 痴漢に遭遇してしまう。ホームで一悶着あった後学校に行くと、さっきの痴漢は同僚の教師でもあり、第3話で学園の御曹司ということ発覚、 最終回で佐伯(陣内孝則)を捨てて結ばれる裕紀(柳葉敏郎)だった・・・
タイアップ主題歌・あがた森魚「赤色エレジー」
挿入歌・遠藤賢司「東京ワッショイ」

「ロケット・ボーイ」(フジテレビ系・毎週水曜日午後9・00〜9・54)
出演/織田裕二・ユースケ・サンタマリア・京野ことみ・中島朋子ほか
1月24日(第3回)
チャレンジャー号が湿った海苔のように散乱していく様を、大橋マキ(大橋マキ)がゴムでできた皮膚の笑顔で実況する。


1月2日/赤痢患者と白血病患者で紅白歌合戦

メニューを閉じた私はボーイを手で招き寄せた。金に染めた髪の根元からブラウンの色が覗いている。 年は20に届かないとふんだ。
「坊や、アムステダル・ビアはここにはないのか?」
「何ビアっすか?ウチ、キリンしか置いてないッスよ」
私は口端にくわえていたマルボロを円盤に似た形状の灰皿にこすりつけた。質問をした私の方がミス・テイクを 犯していたようだ。灰皿の趣味からメニューの中身を推測するのは難しいことではない。
「政府は未成年への酒販売に神経過敏になってるようだが、その前に定めなければいけない法律があるようだな。 ワインのつまみにナッツを出す店とドイツビールを扱わない店に、バーを名乗る資格を与えないってことだ」
「お客さん、生中でいいんスか?」
ジョッキのワンショットが550円であることに肩をすくめて抗議してみせたが、ボーイは気づかずに踵を返していった。 未成年と酒の話をするにはあと10年月日が経つのを待つか、私が10年若返る薬を手に入れる必要がある。
私はペーパーマッチで煙草に火をつけて、マッチの燃え滓でコースターの裏をなぞった。 その字が薄暗い店内でも読めることを確認して、正面に座った女にそっと渡した。
女の頬に赤みがさしたのを私は見逃さなかった。どうやらフィリップ・マーロウが提案したこの手法と テディベアのコレクションは、あと100年は女性を魅了していくに違いない。
「何言ってんの、あんた?」
女は照れ隠しか、飴色にいたんだ前髪をいじりながら私を睨みつけ、スラングを口にした。
「初対面の女性にあんたと呼ばれたことはないんだ。母親が俺を産んだ時もあんたとは呼ばなかったからな、ベイビイ」
「つべこべうるせーよ。コースターの裏に「やらせろ」って書いてあるから、あんたっつってんの」
「「やらせろ」だって? レイディが人前で使う言葉ではない」
「バカじゃねー? 書いたのあんただろー?」
その顔面に塗ったメイクがあまりにも度を越して黒かったので「ホーク」と呼んでいた女がおしぼりを投げて来たので、 私は横の女に声をかけることにした。さっきからホールトマト・サラダに地中海ドレッシングをかけすぎることを 注意しなければいけないと思っていた女だ。これではファースト・トマトの酸味が台無しになってしまう。
「まず私は依頼人に二つのことを聞くことにしている。ニューヨーク・メッツの監督があと何ヶ月で交代すると思うか、 そしてどこに住んでいるかだ」
「あ、なに?私に言ってるの? 秦野だけど」
「通うには遠すぎる。しかし都心に住むには近すぎる。実家?実家?」
「バカにしてんのあんた? 一人暮らしか知りたいわけ?」
「なかなか鋭い反撃だ。君なら公開討論でミセス・ヒラリーの口を封じることが出来るかもしれない」
身の危険を察知した私は身を寄せて拳を合わせると――これは敬愛するジョージ・フォアマンのスタイルだ―― おもむろに立ち上がりプライベイト・ルームへ駆け出した。
古くなった蛍光燈が小刻みに光るルームでは、私の相棒が先に用を足していた。酔いで赤らんだ頬を歪ませて容赦のない質問を浴びせてくる。
「どう調子? おめー全然ダメそうじゃん」
相棒のディックから目を逸らさずに私はマルボロをくゆらかせた。
「ダメっす先輩。俺の横の女なんて秦野っす。もう終電気にしてます」
「バカじゃね、おめー? 今日の女の子、上智短大だからあのあたり住んでんだよ。寮もねーから一人暮らしだぜ」
「マジっすか? 早く言ってくださいよー」
「どうでもいいけど、トイレ禁煙な、おまえ」
相棒が去ったあと、私は窓の外に広がる宇田川町の風景を見下ろし酔いと戦いながら、今日の合コンの作戦変更プランを立て直そうと決めた。 とりあえずさっきホットドッグ・プレスが提唱していた「男臭い人に抱かれたい!」特集を 一度リセットしなければいけないだろう。
しかしそれは、私にとってモハメド・アリが改宗するくらいの勇気しか必要としない。 私は顆粒の胃薬を咽喉に流し込んで、来るべき一気飲みに備えた。

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