先日、えなりかずき豪球烈伝こと西武の松坂の筆おろし疑惑が発覚した。 昔奥菜恵との会食が発覚した際には、麻雀大リーガーの東尾監督が「うらやましい。俺も誘ってもらいたいもんだ」 と歴史に残る無意味なコメントを発したのをよく覚えているが、結局奥菜はモノにならなかったばかりか、 それ以降明らかに低めのコントロールがままならなくなった松坂に好感を抱いたものだ。 今回の相手は誰だろう?と記事を読むと、マスコミはこぞって「日テレ巨乳アナ」と報じていた。 名前を知りたくて先を読み進めても、解説は「ロケット型おっぱい」ばかりである。何だそれは。切り離し可能なのだろうか。 それにしても栄養事情がよくなってグラビアアイドルもDカップが珍しくない時代に、女子アナの「巨乳」がもてはやされるのは何故だろう? 例えばテレビ朝日の下平さやか。ワンギャルにいたら下から数えた方が早そうなレベルの彼女。 こないだ友人の森田と話していて名前を忘れてしまい「誰だっけ、あのパンパン?」と聞いたら、 「下平さやかだろ?」と即答してくれた。「彼女はパンパンじゃないよ! ズベ公だよ!」と怒っていたが。 下平も「巨乳」の記号で語られやすいアナウンサーだ。 だが一般的に女子アナの争点になるのは、「巨乳」よりかは「学歴」である。 よく使われる慣用句でいえば「才色兼備」の「才」が学歴、「色」はおっぱいという図式で非常に分かりやすい。 しかし本当に「才」などメディア上には存在しないのは自明であって、さっきニュース番組を見ていたら木佐彩子が弁当特集のVTR後に、 「ほかほかのご飯って、おいしいんですよねえ」と、あまりにまんまな発言を堂々としていたし、 大橋マキなんかニコニコ笑いながら鼻クソほじってパクパクやっていた。 「色」にしたってそんな露出の多い服を着ているわけではないし。要は女子アナの巨乳というのは映像的ではなく情報的価値である。 そこで私は女子アナの巨乳価値高騰の背景には「処女性」が糸を引いていると睨んだ。 昔は街を歩けば、誰かが宮沢りえがバージンかどうか論争して本気で掴み合いのケンカをしていたものだ。 「アイドルは処女である(あってほしい)」という前提が存在していた牧歌的な時代。 それが今やアイドルに処女性は求められない。処女でないと明言するような元ヤンキーだった告白すら話題のひとつにすぎない。 はたして優香は処女か? 違うだろう。深田恭子。東のマンションでワカチコンやってたらしいじゃないか。 Speedのメンバー。沖縄で処女じゃない女なんているのか?それに昔、俺、島袋とつきあってたし。 そこで女子アナの価値が高まったのであろう。高学歴という物語が「経験がないわけではないだろうが、そんなに遊んでいない」女という 幻想を正当化する道具になっている。 処女幻想が全滅した時代に、女子アナというのは処女に近い女を求める思想を体現する存在なのである。 その幻想の中において初めて、巨乳は「大きいくせに、あまり揉まれていないおっぱい」という意味を燦然と放つのだ。 何だ、その文句言いたそうな顔は。俺の言ってること間違えてるか?じゃあおまえは朝丘雪路や早乙女愛の使いふるしおっぱいで満足なのか? よく週刊紙で女子アナのキャンギャル荒らしの過去を叩くのは、最後の処女性楽園幻想を守ろうとしているからに違いない。 マスコミを志すエゴの強い女が清純なはずがないと私なんかは思うけれど。 そういう意味で週刊紙で名前を覚えてしまった龍円愛花という女子アナは画期的だ。 たまにテレビで見かけるとマイクの握りかたが既に違うから。 |
妄想恋愛ポエム、3回目になりますが今回は投稿者2名をフィーチャーせざるを得ません。 私の大学の後輩のN君とI君ですが、前回更新した途端に頼んでもいないのに間髪入れずメールを送ってきました。 二人ともおつむはてんてんな方だと認識しておりましたが、今回の投稿で確信に至りました。こいつらは真のアッパラッパーです。 この二人のキャラクターを端的に説明しますと、N君は「分かりやすいバカ」、I君は「小難しいバカ」です。 それを踏まえて投稿を見ていきましょう。まずはN君の作品群を。 ・「広末涼子がとなりにタンッとこしをおろして、おれの胸ポケットから煙草を勝手に取り出し、 「はー」と一服したときの唇がおれの性の目覚め」 冷蔵庫のチルドにいっぱいのはちみつ黒酢。野菜室を開けるとピースがカートンで。ヘビースモーカー広末の本質を突いた作品です。 なんだまともな作品じゃないかと思ったら大間違いです。これから破綻していきます。 ・「ナウシカの愚痴が聞きたい」 ・「俺は未だにルパンがクラリスにやった手品が世界最高の口説きかただと信じている」 アニメ電リクでファックス受け付けているんじゃないんですから。なんですか「信じてる」って。そんなの誰も知りたくありません。 彼は仕事をさぼってマンガ喫茶に通いすぎて、現実を見失っているようです。 その喫茶店で「カイジ」を熟読した後、「支払いはペリカでいいですか?」と聞いて出入り禁止になったそうですから。次、I君。 ・「ちょっとつまずく大石恵。そこでぬげたサンダルを持ってダッシュ。ケンケンで追いかけてくる大石。 「待ってえ。」 二間ほどで、またこける。手を差しのべる。両腕を首にかけられ、跳ね起きる。 「もう。」 ご満悦。」 ・「おろしたてのスウェードの茶色いブーツが、金色の小さき鳥の銀杏の葉を転がす。 バーバリーのマフラーで白い息を隠す酒井若菜。 その後をゆっくり歩く。 ふと踵に目をやると潰れた銀杏が・・・。 でもおじさんは気にしない。」 もうコメントしたくないんだけど、俺さあ。やだよ、こんな仲間しかいないと思われんのよー。 仕事だから仕方ありませんか。まず前者から。「二間」。今この言葉使ってるのは金田一春彦先生とI君だけでしょう。 大学時代「試験どうだった?」と聞いたら、みんなが「まあまあ」とか「大丈夫でしょ」と言ってる中、 一人だけ「及第点です」と答えていたI君。尋常小学校でも卒業したのでしょうか。 そして最後の「ご満悦」。2000年10月現在、夕刊紙の風俗レポでしか使わない単語です。 あとたまに週刊文春の「淑女の雑誌から」で「ごマン悦」と表記されるだけ。 さらに後者のポエムに至っては「酒井若菜」以外、何を言ってるのか理解できません。 ここで注目したいのはこれだけ小難しい文章を書いておいて、チョイスした女性が「大石恵」「酒井若菜」 とベタベタなところです。 ちなみに二人が送ってきたメールタイトルは、別にお題を出したわけでもないのにまるで呼応するかのように、 N君は「泣くな荻原智子。俺がついている」、I君は「高橋尚子、おまえ差し歯だろ」でした。 そのうちこのページに「練乳下請工場」という掲示板を作る予定なので、 二人にはそちらで活躍していただいて、私の前には二度と姿を現さないでいただきたい。 最後にいつもの荒くれ者たちの作品をメドレーで。 ・「松永真理にまたぐらのi−モードをいじってほしい。で、そのあと乳ビンタ」(26才・職業・宮大工) ・「長州力、パワーホール(入場テーマ)にのせてキューティクル宣言」(27才・職業・吸い殻拾い) ・「日本の、日本の民主主義はどうなってしまうんだ!(号泣)」(27才・職業・吸い殻拾い) それおまえのセリフじゃねえだろ。 「吸い殻拾い」さんは先日レンチでボコボコに殴っておいたのですが、まだ投稿してくることが不思議です。 先生は疲れました。これからエステにでも行って愚痴ってきます。 もう何も期待しませんが、引き続き投稿は受け付けております。それではまた次回。 |
こんにちは、安重根です。 いつも「練乳工場」を見てくれるみんな、本当にありがとう。 巷(今このパソコン、血股って変換しやがったよ!)では僕のことをツービートの再来とか騒いでるらしいし、 みんなもこのページに毒とエスプリを期待しているかもしれない。でも、本当は僕はそんな強い人間じゃないんだ。 今日は飲みたい気分なんだ。 飲みたいって水薬とかカプリソーネじゃないよ。強いお酒をね。 いやなに、ちょっとセンチメンタルにさせる出来事があってね。 聞いてくれるかい? マスター、この人にマミーを1ガロンお願い。
こないだ後輩の野村と話していて、いい話を聞いたんだ。 ♪炊き出しをください、涙の数だけ・・・ |
私を含めて、解答者は3人いた。ディレクターが無言で指を折って、収録が始まった。 1ヶ月前(8月17日参照)アタック25に出演した際、児玉清氏から真のアタックを受けた私は、しばらく療養生活を送っていた。 しかしこの度折れた首の骨も完治して再びクイズ番組に挑戦する決意を固めたのだった。 何といっても私は立命館クイズ研卒、現公務員、童貞喪失は虚偽申告の三拍子揃ったクイズの申し子なのだから。 早速友達を3人集めて「ぴったしカンカン」に応募したが、いつの間にか吉田照美が番組を終了に追い込んでいた。 仕方なく「ヒントでピント」に応募したら、司会者本人が鬼籍に追い込まれていた。 どうしたものかと思案していると、知り合いからケーブルテレビ局でクイズ番組をやるのだが 解答者が足りないと声をかけられて、渡りに船とばかり、私は指定された収録現場にかけつけたのである。 地味なスーツを着たフリーのアナウンサーが解答者の紹介を手短に済ませると、さっそく出題のコメントに入った。 「文学ドレミファ・ドン! このクイズは有名な小説を冒頭から朗読していきます。そして作者の名前が分かった時点で 早押ししていただく、つまりは文学のイントロクイズになっております」 なんとラッキーなんだろう! 私は神と名誉会長に感謝した。文学は私のもっとも得意とするジャンルなのだ。 銀色夏生と原田宗典と群ようこが私の愛読書だ。 「では、問題です」司会者が手元の紙に目を落とした。「君の」 ピンポーン。まさかと思ったが、私は目を疑った。驚いたことに私以外の3名がボタンを押している映像がモニターには映っていた。 解答権を得た女が意気揚々と答えた。 「中谷彰宏!」 随分堂々と答えているが、これだけで当るはずがあるまい。私は余裕で席に背を伸ばした。司会者が先を進める。 「続きを見てみましょう。・・・君のブランケット、寒かったら僕のも貸してあげるよ。 PS・週末は焚火をしよう・・・正解です!中谷彰宏です!」 思わずジムキャリーの「マスク」のように床まで一気に顎が落ちる。おそろしい所に足を踏み入れたことに初めて気づいた。 こいつらは「君の」だけで判別できるというのか? そんな私の不安をよそに番組は進行していく。 「では第2問です。よく聞いてください・・・親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかり」 無我夢中でボタンを押すと、奇跡的に解答権は私の元にまわったきた。司会が近づいてくると、私は興奮を隠せなくなった。 「わかりましたわかりました、一番上が「な」ですよね?」 「さすがわかっていらっしゃる」 「夏目漱石!」 勢いよく叫ぶと、大きく誤答のブザーが鳴った。誤作動だろう。間違っているはずがないではないか。 「鈴木さん、残念! 問題を最後まで聞いてみましょう・・・親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。 だから今夜は君の注いだダージリンティーが飲みたいんだ・・・正解は中谷彰宏でした!」 「ちょっと待て」帰りかけた司会の襟を掴んで止めた。「本当にそんな文あるの?」 「ジェリービーンズの片思いより抜粋でございます」 「それ、秋元康でしょ」 「違いました・・・フーミンの恋愛論より抜粋でございました」 「そりゃ作者はフーミンだろ、どう考えても! あんな旦那持って何が恋愛論って話だよ!」 「失礼しました。間違えておりました」 「そうでしょ?」 「最後が抜けてました。PS・週末は墓を荒らそう」 「そっちかよ!」 私が納得いかず喚いていると、背後から巨大風船が一気に膨張して破裂した。軽い目眩に襲われ顔を上げると、 司会者は何もなかったようにボックスに戻って問題用紙をめくっていた。 「みなさん準備はよろしいですか? それでは次の問題です・・・「――」」 その瞬間私の耳に届いたのは司会者の声ではなく、他の解答者が一斉にボタンを押した音だった。 |
まだ司会は何も言ってないではないか。横の席の男が光るランプに合わせて威勢よく答えた。 「赤川次郎!」 「これは早い! 続きを見てみましょう・・・「――全く!」晴美はぺろりと舌を出した・・・正解です!」 「おかしくないか?」私は思わず割って入った。「「――」って、あんた読んでないじゃん」 「そこは潜在的能力ということで、ひとつ」 「これESPテストかよ? 大体なんでさっきの「坊っちゃん」は分からなくて、赤川次郎は「――」だけで分かるわけ?」 「不服である、と」 「タイトル教えろよ」 「迷犬ルパンの名推理より抜粋でございます」 「それ辻真先が書いたパチモンだろ!」 両手を振りかざして叫ぶと、今度は細かい発泡スチロールの滝が頭上から大量に降り注いで、埋没した私の抗議はそこで遮られた。 「それでは第4問に移りましょう・・・わたし、じゅんッときちゃうんです」 発泡スチロールから脱出した私は叩きつけた定規の振動を利用して、ボタンを連打した。 駆け寄ったディレクターに羽交い締めされるまで、解答権を知らせる音がスタジオにループした。 司会が俺の目を見て促す。 「鈴木さん、ハイパーオリンピックじゃないんですから・・・それでは正解は誰?」 「宇野鴻一郎!」 マイクを握って答えると、虚しく誤答のブザーが響いた。私は司会に向かって竹製の定規を放り投げる。 「鈴木さん、問題は最後まで聞いてもらわないと・・・わたし、じゅんッときちゃうんです」 「ほら、宇野鴻一郎だ」 「A(アンサー)・じゅんッとくるのは悪いことではない。俺も若い時はじゅんッときたもんだ・・・正解は北方謙三でした」 「やっつけ人生相談じゃねえか! なんであんなフグ提灯がじゅんッとするんだよ!」 私は大声で主張したが、スタッフに囲まれ煮沸するおでんのツユを柄杓でかけられては、沈黙せざるを得なかった。 「さて最後の問題です。鈴木さんだけ無得点でございます。鈴木さんだけ国民健康保健加入者でございます」 「いいから早く問題出せ」 「それでは頑張ってください・・・エヌ氏は」 狂犬のような瞳で他のパネラーに睨みをきかせながら、ボタンを強く押す。 「これは間違いないだろ! 星新一!」 「これは早い。ではもう一度冒頭から読んでみましょう・・・雌牛は」 「待てこら」 「はい?」 「変わってるじゃねえか。エヌ氏だろ? なんだ雌牛って。酪農文学か?そんなジャンルあるのか?おまえ立松和平か?」 「これは失礼いたしました。再度冒頭から読ませていただきます・・・エスミは」 「違うだろ! エスミだあ? ショムニのノベライズか貴様」 「失礼しました・・・エヌ氏は仕事を終えてマンションに帰ると、いつもの習慣で冷蔵庫を開けてビールを飲んだ。 「ああ、うまい。私はこうしている時が一番幸せなのだ」・・・残念ながら不正解でございます」 「どうしてだよ!」怒りが頂点に達した私は、脇にかかえたボールから練りたてのつくねをヘラですくっては投げ、司会者ににぶつけた。 「その平坦な説明口調、どう読んでも星新一だろ!」 「鈴木さん、問題は最後まで聞いてもらわないと困ります」 司会は始めてにやりと表情を崩すと、ゆっくりと問題の先を読み上げた。 「さて、このエヌ氏は誰を差してるでしょう? 正解は中谷彰宏でした」 怒りが頂点に達した。解答席を蹴倒して飛びかかった瞬間、天井から捕獲網が投擲されたのが視界に入った。 罰ゲームは鰐の池の上で綱渡りでもするのだろうか、と私は考えていた。 |
社会的にも性格もまっとうな人間が、隙をついて脳幹の奥からぽろっと虚ろな単語を発する瞬間がある。 あれは大学時代だ。 今は新聞社で記者をしている、私の知る限りもっともインテリな部類の人間であるI君が、 4限の授業を終えて学食に向かう時に空腹を訴えて呟いた。 「あー、はらへりんこ」 どうなんでしょうか。はらへりんこ。大学2年、彼は1浪だから当時21才。前述したように彼は知識人だ。 インテリな証拠に、酔うと上半身裸になって 「太陽の象徴神、アポロン」という誰にも理解できない芸をしていたくらいだ。 おなかすいちっち、ではなかっただけ良かったのだろうか? と気を取り直したところに、 現在税関に勤務している、これまた頭脳明晰なTさんはI君の言葉を聞いて言った。 「うっちょーん」 どうしろというのだ。その場で私は立ち尽くしたが、「おっぺけぺー」とでも叫べばよかったのだろうか。 しかし今はそれも笑って話せる話題だ。私の中でトラウマになって残っている、あの出来事に比べれば。 高校1年当時、クラスの出席番号1番に今木がいた。 彼は端正な顔立ち、後に主将となるボクシング部所属、学業優秀とコバルト文庫から主人公が抜け出たような男で、 浮いた話もなく放課後には一人でロードワークをこなし、休み時間には文庫本と向かいあい、 かといって話かけると当りは柔らかく、親は薬局、本人は後に医学部、何だこいつは。だんだん腹が立ってきた。 必要な時は空を飛べて、ウンコは金色、家の水道をひねって流れるのはファンタオレンジ、 そんな優秀な男がいたのである。 その頃、文系男子は休み時間になると勢力が二派に別れていた。次の授業に備えて指名されないようにゾロアスター教の呪文を唱えるか、 指名されないように御神体に見立てた掃除のロッカーを囲んで、「池田先生!」と終わらないウェーブを繰り返すかのどちらかだったが、 今木だけはたいてい机に着いて静かにページをめくって読書をしているのだった。 ある日男子全員と担任が揃って、クラス一のダメ人間・小菅に重油を塗りたくり十字架に貼りつけている中、 今木はいつものように机に向かっていた。 しかしシャープペンシルをしゃかしゃかと動かして熱心に何かを書き込んでいるのが、いつもと違う。 後ろから覗き込むと今木が手にしていたのは、よく夏になると本屋で配布する「新潮文庫の100冊」の小冊子だった。 感想でもメモしているのか?と目をやると、 今木は一心不乱にわたせせいぞうが描いた「坊っちゃん」のイラストに鉛筆で書き込みをしていた。 坊っちゃんの頭には鎖鎌、槍、矢が、背中には包丁が刺さっていて、頭上には「100t」と書かれたハンマーが落下中。 漕ぐ船には穴が開いていて、鯨の背中のような分かりやすい二手に分かれた水が漏れている。 さらに船上なのに足元に広がる針の山。 何故その稚拙な描線で芝生ではなく針の山と分かったかというと、でっかく矢印が引かれて「針の山」と説明が大書されていたから。 そして暴力に耐えられず、円状に涙を流す坊っちゃんは吹き出しで叫んでいた。 「やめちくりー」 何かキレイなオチをつけようと思う私に、時空を越えて脱力させる言葉。やめちくりー。 ちなみに先日メル友募集雑誌で見かけた女子高校生は、冒頭が「おっはー!!」、最後のシメの言葉は「あぼっぼー」だった。 あぼっぼー。もう私には戦う気力も残っていません。 |
みなさん、こんにちは。ご好評いただいております、デイリー・ノベル・ニュース。ナビゲーターの鈴北久美です。 このニュースは仕事、隠れた女装趣味、同アパート住人の郵送物の盗み読みで忙しい現代人のために、 国民健康保健加入者の私が流行の小説をダイジェストでお届けするものです。 今回取り上げた小説は巷で「ゾマホンのほん」と並んで話題の、結城恭介「スクランブル・エクスプレス」です。 選考委員が筒井康隆と井上ひさしの二人だけだった当時の「第1回小説新潮新人賞」受賞者で、 受賞当時は何と浪人生だった結城氏。 筒井氏(第1〜78回芥川賞俳優部門受賞)からは「新しい感性」と絶賛されて世に出た作家です。 16年前に発表された受賞第1作の短編「スクランブル・エクスプレス」。このまま闇に葬るのは惜しいぐらい あまりにもひどい作品なので、100ページに及ぶ小説を主要な台詞のみ抜粋してお届けいたします。
・「恋愛!? 君、本気で言ってたの?」「え!? それどーゆー」「俺はスパイ小説だと思ってやってたから」「にゃにー!」
如何でしょうか。吐く時は店の外で吐いてください。
ストーリーはこれから想像できる以上のものでも以下のものでもありません。
・「受賞第一作を書くにあたっては「今までの小説を壊してほしい」という条件をいただきました」
ジュニア小説でもタレント本でもない中間小説の世界で、この台詞は貴重です。 |