バックナンバー・練乳工場(11月中旬)


11月17日/手羽先で殴り合う喧嘩の仲裁だけはしたくない

今日コンビニで手にとったスポーツグラフィティ「ナンバー」はずしりと重い手応えがした。これは何かが違う、と確信して頁をめくると、 ケロッグのシリアル箱が挟まっていた。それを棚に戻すと、いつもと同じ軽さだった。
しかし気を取り直して目次を見た私の期待は裏切られなかった。あのTIME誌の表紙を飾った金子達仁先生 (後日その表紙はフィリピン・セブ島の人身売買機関の犯人写真と混合していた事が判明)の新連載が始まっていたのだ!
ここまで読んだ方は、金子先生はナンバーに「いつかどこかで」を既に連載しているじゃないかと不審に思ったかもしれない。 それが違うのだ。なんとニ本目の連載なのである。
昔「ドラえもん」も「パーマン」もコロコロに連載していた藤子先生に匹敵する仕事量といえよう。 仕事内容はどちらかというと、究極の紛い物連載「ドラえもん百科」の片倉陽二に近いが、 中田と交流のある金子先生にとってはそんなの大した問題ではない! 中身が何だろうが、中田の友達なんだぜ! 中田って勿論、中田久美ね。
まさに「クラスで一番性格悪い奴に貸したドラクエが返ってこないが、そいつの二学年上の兄貴が不良で文句が言えない」 的ジャーナリストの面目躍如である。 どのみち「いつかどこかで」はレンジで熱したワープロのキーボード上に猫を落として、踏ませた後の語尾を修正しているだけだからそんなに時間を必要としない。
さて内容を確かめると、金子先生は今回アンディ・フグを取り上げていらっしゃっるではないか!
スイス格闘儀界の巨星、アンディ・フグと中田銀河系に燦然と光る太陽黒点、金子先生の奇跡的な邂逅。
私はニヤリとした。さすがはナンバーである。格闘儀の事なんか素人以下の金子先生を大胆に起用することで、K−1番組における藤原紀香や畑野浩子のような 全く脈絡のない抜擢をするメディアを、自らの身を持って批難しようとする態度がありありと窺えたからだ。 本年度流行語大賞間違いなしの「自己批判せよ!」をさりげなく取り入れているところが、またニクい。
それでも追求を躱せなかった場合を考えて、事前に乙武くんに連載を持たせていた用意周到さにも驚愕を禁じ得ないではないか。 確かに「乙武とスポーツ」に比べれば、「金子先生と格闘儀」なんて陳腐に見えてくるから不思議だ。これに勝てるのは「お寿司とミルク」ぐらいか。
乙武くんのスポーツルポもなかなか悪くない。体験取材ということで、「堀内(悪太郎)のドロンとしたカーブは何故生まれたか?」を検証するために 製材所に向かい・・・あ、ブラックすぎると今R18指定食らいました。どうせ18才以下は分からないギャグだからいいんだけどさ。 これ以上書くと白ポストに入れられるそうです。
しかし「いつかどこかで」で何様のつもりか知らねえが誰も聞きたくないしかもスポーツに関係ない銚子でサンマ漁をしたケッタくそ悪い自慢話を 2頁に渡って延々と書き殴っていた金子先生の力量は周知の事実だが、スペイン滞在中に街のケンカしか観た事なくて格闘儀のルポなんて書けるのだろうか。 沢木耕太郎が月9の連ドラ脚本を書くような蛮行ではないだろうか?
私の心配は杞憂に終わった。金子先生はスイスを訪れると適当な叙情的表現を織り交ぜつつ、フグの肉親と延々と当り障りのない茶飲み話を繰り広げていた。
これはまさに金子先生黄金の勝ちパターン。私は昔サッカー好きな会社の先輩から「決戦前夜」を無理矢理読めと渡されて、 読み進める程に、その本がエモやん、坂東英二のような業界バクロ本だと確信を強め、 読了して三省堂のカバーをはずしたらカッパブックスではなかったので腰を抜かした経験がある。 それくらい本質ではない部分をだらだら語らせたら金子先生の技に右に出る者はいないということだ。
当然私は金子先生の頁は触ると肌が荒れるので読み飛ばし、桜庭のインタビューだけ読んで雑誌を戻した。
しかし何か嫌な虫の知らせがする。おそるおそる薄目を開けて、もう一度手にした「いつかどこかで」に目を通した。
その内容は本当にすごすぎて、語れない。ただ17世紀に印刷技術がヨーロッパで発明されて以来、もっとも鑑賞に堪えない文章の一つであることに疑いはない。
断言しよう。今週あなたが本屋で店員がモップをかけている姿を見かけたら、それは「いつかどこかで」を読んで失禁した証明であると。本当にすげえことになっているぞ。

11月16日/ギターを没収したら体中掻いて熱唱する山崎まさよし

11月18日/松任谷正隆の天職は当り屋

「やっぱり平凡な名前でいいと思うんだよ」
俺は妻の顔色を窺いながら提案した。 「高橋とか井上とか、悪くないと思うんだけどね」
「本当にあなたってセンスないわ」妻は膨らんだ腹をさすりながらため息をついた。
「高橋?いかにも出世しなさそうな名字じゃない。 そうでしょ?会社の役職だって高橋係長がしっくりくる名前よ。井上だって、何かしら、伍長が関の山って名字だし」
高橋係長。井上伍長。妻の言う通りかもしれない。俺がため息をつきたい気分になった。
あれは三年前ぐらいになるのだろうか。日本の新生児に対する命名は、あまりにもセンスが欠け 子供たちの人権を侵害していると国連で議論の対象になったのだ。
アメリカの人権保護団体は「アメリカには名前は二つしかない。ホモがガブリエルで、ノーマルはボブだ」と主張した。
今になると何を主張していたのかよく分からない。しかし大きなお世話ではあったが、確かに日本の命名は世紀末状態だったことは否めない。 「響」と書いて「えこ」とつけられた女の子は名前の不愉快さが原因で行為障害になったし、 「光翼」と書いて「つばさ」君はこれもひどい命名によるショックで、生後2ヶ月でてめえに翼が生えて鬼籍にフライトしていった。
俺も上司から気色悪い出生祝いのカードが届き、「聡瑠(さとる)」という名前を読み間違えて、 後日「いい名前ですねえ、恥垢くん」と誉めたため、転職に追い込まれた経験がある。
結局「センスのない命名は著しく国益を害する」と判断して、国が打ち出した施策は「今後、命名は下の名前ではなく、 上の名字に限るものとする」というコペルニクス的というか、ホーキング外見的発想の転換だった。
家族の下の名前が統一されて一族に受け継がれ、これからは代りに名字を授けていく大胆な法改正が国会で承認された。 しかしこれは珍奇な命名を抑制する効果は十分にあったのだ。ジーンズが好きだから里偉(りい)とか命名していた痴呆 (本当にいるんだぜ!)どもも、意外とふざけた名字というのは名づけにくいものであることを人々は気づき始めていた。
そして今俺の横にいる妻が、身篭っている。まさか子供のために名字を考える時代が来るとは・・・
「やっぱり子供には経済的に安定してほしいの。だから金という字はつけたいのよね」妻が語り始めた。
「うーん」
「それにしっかりした所に住んでほしいから、城をつけて金城ってどう?」
「金城ねえ。まあ今はイメージ悪くない名前だけどさ」
「あと玉のように可愛らしく熊のように強くなってほしいから、玉熊。あと早く坂って欲しいから早坂とかどうかしら」
「さっきから全部沖縄ネームじゃないかよ。なんでそんなソーキ臭い名前ばっかりなんだよ」
「だってパパが沖縄出身・・・」
「待てよ! 俺の子供じゃねえのかよ! それに最後の早く坂って、って日本語にもなってないじゃないか」
「いいのよ。パパも日本語は喋れなかったし・・・」
「駐在米兵が相手かよ! この非国民! ひめゆりの塔で刺すぞ!」

「冗談よ。でもね、金という字がつく名字は悪くないと思うの」
「そうかなあ。金本とか金村とか?」
「いいと思う。でも金だけに執着する人生は悲しいじゃない? だから魂は純粋なものであってほしいから、清という字もいいかなって」
「清原とか清井とか?」
「うん。あとすごい人物になってほしいから、チョーということで趙」
「全員が海峡を越えたホームランじゃないか! 配球がストレート過ぎだよ!」
「いい?」
「だからいいとか悪いの問題じゃなくてさ」
「違う違う。私が言ってるのは李(イー)ってこと」
「それがそのものズバリなんだよ! ドメスティックな発音ゆえに分からなかったよ! それにさっきから俺、爆笑問題の本における田中みたいな言い回しになってるし!」
太田「森内閣って森光子じゃないですからね」
「ワケわかんないこと言うなよ! その薄いボケがモロ爆笑問題の本なんだよ!」
「もっと落ち着いてコンセプチュアルに考えましょう。私、エコとかアウトドア好きでしょ? だから木の字や木辺の字がつく名前とか好きなの。わたし、あなたと結婚したのは鈴木という名字が好きだったからだし」
「そんな簡単な理由で? ああ、でも木辺の名字はいいかも。楠とか、橘とか引き締まる感じするよな」
「朴とかね」
「しつこすぎるよ!」
「ダメ!やっぱり一文字はダメ!もっと個性的な名字がいい! 人と違った尖った名字じゃなきゃ!(江角口調)」
「どういうキャラだよ? そしてどうして俺はこんな女と結婚したんだ?」
「よくあるでしょ? 難読っぽい漢字四文字ぐらいの名字。ああいうのがいい」
「ああ、四月一日(わたぬき)とか、言語道断(てくらだ)とか? やめようよ、そういう読みにくいのは」
「あと麗人内藤(れいにー・ないと)ね」
「そりゃ難読じゃなくてイカクン臭い場末のスナックだろ! しかもよく見りゃそんなダサい店名ねえよ!なんでナイトの当て字が内藤なんだよ!」
「だって町田には「仏露運邸亜」ってスナックがあったわよ」
「答えになってないけど そりゃあすげえ名前だ!行きてえ!
「ああ、でも四文字は多すぎるわ。名字はやっぱり三文字がソリッド! 五十嵐とか日下部とか」
「そうだよ、三文字の方がいいよ。高貴な名前も多いし。綾小路に有栖川、三反園もそうだね」
「そうそうそれに辺土名、真喜志、喜屋武」
「やっぱり父親が沖縄生まれなんじゃねえか!」
「あなたキャンキャンうるさいわよ」
「そりゃあ騒ぐよ! ・・・沖縄だけに「きゃん」「きゃん」とね・・・

えー「子誉め」というめでたい一席でございました・・・書き出しと展開が違うのに文句ある奴いたらメールよこせ。 丁重にあやまりたいと思ってます。


11月14日/米軍ランニングの音頭取り歌がエンヤ

ある種の苦痛に苛まれながらテレビの前に座っている。興味のないプログラムが映るテレビを眺める行為は妙な苛立ちを覚える。
「ASAYAN」が終わった後に放送される「期間限定!ピカピカ天王洲LIVE!」。 ここ最近チープながらも評判がいいテレビ東京の膿を一人で背負ってしまったような番組であった。
ツッコミどころは無尽蔵にあるけど、つまりは「歌の大辞テン」と「夜もヒッパレ」を足して20年後に再放送したような内容だ。 収録3時間前に企画書ができあがって、2時間前電話をかけたら自宅にいたタレントを収拾したような気すらしてくる。 メイン司会は中澤裕子にホンジャマカ石塚。その脇をコージー富田に原口あきまさが固めている。
さて私が何故この番組を見ているか、あ、今ドギーバッグが歌ってます、見ているかというと、藤井フミヤが出演するからに他ならない。
今私の心に笑いの鍵穴があるとするなら、その鍵を所持しているのは間違いなく彼だ。
別に私はフミヤに対して悪意の類は持っていないはずなのに、テレビCMで「コーヒー飲もうか」と言っているだけで、鳩尾命中。笑いが止まらない。
この気持ちを言語化するのは難しいのだが、私は逆に読者に「フミヤって笑えないか?」と問いたい。 今「フミヤ」とカタカナで書いただけで、私なんかもうニヤニヤしているのだ。
何年前だろう。「タイムマシーン」というタイトルを見かけて、笑い転げた夜があったのがフミヤとの邂逅だ。「タイムマシーン」。 いや、別にいいんだけどさ。この時代、このタイミングで「タイムマシーン」って。「タイムマシーン」だぜ!
CHARAも「タイムマシーン」という曲を歌っていた記憶があるが、これは別におかしくもなんともない。 というのもフミヤが歌うタイムマシーンとは意味が全く違うからだ。CHARAは比喩的な存在としてのタイムマシーンだが、 フミヤのイメージでは、きっと便利な機械としての直接的な意味でタイムマシーンに違いない。歌詞は知らないが、きっとそうだ。
そういえば当時、弟・尚之とのコンビは「F−Blood」と名乗っていた。「F−Blood」! 九州から来た兄弟が「F−Blood」って!
それからやがて決定的にフミヤの虜になる事件があった。忘れもしない。ある音楽番組で藤井フミヤ・バースデープレゼンツをやっていたのだ。 彼が誕生日に行ったライブのちょっとしたドキュメントで、手元の記録を紐解くと、
「今日のフミヤは黒服に身を纏い、髭を蓄えて一段とセクシー。なんとなく軍人っぽいファッションは「チビ大佐」という感じ。
コンサート前、スタッフ一同が集まり、シャンパンで乾杯。これは誕生日だからということではなく、ライブ前の儀式らしい。 フミヤの音頭は「イエーイ!」でした。
コンサートが終わると、名古屋駅まで移動し、秘密の裏口から新幹線のホームへ。混乱を避けるため、発車寸前で新幹線に乗り込む念のいれよう。 ホームで待ち構えてたファン50人の歓声。さっと手を振るフミヤ。新幹線の中から「なんだ、このチビは?」という疑問を隠せずに目をやるオヤジたち。
これだけで堪能させてくれたのに、新幹線にのったフミヤはパワーブックで仕事していました!」
つまりフミヤの一般的な記号は「セクシー」「アーティスティック」にあるはずなのに、 私には「パソコンをいじっているチビ」にしか見えないところが琴線を大いにくすぐるのである。 それもジェラシーや悪意を媒介にそう見えるのではなく、正真正銘、素直にそうとしか見えないのだ。
思えばマックが趣味と公言していた頃(アップル社発表によれば、日本のマックユーザーの6割は潜在的にフミヤの影響を受けてマックを使っているらしい)、 ジャケットのデザインを手がけたと言うので見てみたら、ディズニー「ヘラクレス」の主題歌だったので、 アニメ画のヘラクレスと実写のフミヤが2ショットだった事もある。ベタベタじゃねえか、おい! でもそんなフミヤだからいいの!
思いを馳せていると、番組にようやくフミヤが登場した。横に広がったエマニエル婦人というか楳図かずおみたいなパーマに、 横浜の小宮山みたいな眼鏡をかけている。アーティストというより、「進化したラーメンズ片桐」みたいな感じだ。
そして歌うは名曲「女神(エロス)」! 「女神」と書いて「エロス」! サビは「俺の夜になりな」! これはもうただ事じゃないですよ!
曲中では足を開脚させてスクッと起き上がるアクションと、マイクスタンド倒しをコントロールする技能を過剰に誇示し、 ロボットダンスのような振りをカクカク披露してくれたフミヤ。 曲が明らかに終わった後にも、物足りないのか10秒に渡って開脚とスタンドアクションを延々とストレッチ運動のように行っていた。
高杢、鶴久を笑うのは素人に任せた。私はフミヤについていく。

11月13日/ユニクロのケミカルウォッシュジーンズ、2900円

ピン芸人の狂気について。
といっても今回は考察、批評は一切なし。ただ私が見たありのままを綴らせていただきます。 面白いかどうかの判断の全権はみなさんに任せたい。
先日足を運んだお笑いライブで久しぶりにGO!ヒロミを見た。
多分GO!ヒロミを知らない人も名前を聞いた時点で「これはひどいのではないか?」という予感は避けられまい。 そしてその予想は決して裏切られることはない。しかしこの人のすごいところは昔驚く程ひどかったのに、今はそれを上回るひどさのところだ。 彼の中のひどさモンスターがどんどん育っている。ドクターテンマが狙撃したって死にやしないだろう。
私の記憶によればデビュー当時は郷ひろみという芸名で、もうその時点でテレビ出演に少しでも思いを馳せる芸人にとっては 「死産」としか言いようがない名前だった訳で。朧げに記憶している当時の舞台といえば、日の丸の鉢巻きを巻いたエセ右翼っぽいいでたちで登場、 奇声を発したりして客をさんざん威嚇した後、ふざけたボイスで「♪レッツゴー、レッツゴー、ヒロミゴー」 と腰を振るブリッジを挟んではネタを織り交ぜていくスタイルだった。ネタはこの際言及する必要すらないと思うが、 紙芝居を使ったり、吉川晃司みたいな発声で「メソポタミアー!」と絶叫した後、同じ動きを倍速でやりながら「す・ば・や・くメソポタミア!」 と叫んだり。つまり「カッコーの巣の上で」みたいな、まあ、あんな感じです。観客は大袈裟な表現でも何でもなく誰もが泡を吹いていました。
そして5年の歳月を経てGO!ヒロミは突然私の前に現われた。以下は友人に送ったライブレポートである。

銀行強盗スタイルの目と鼻だけ穴が空いた黒いマスクでGO!ヒロミ登場。 どうみても犯罪者。説明不可能な胡散臭い動きを延々と1分こなした後、マイクを掴んで漫談スタート。
「エントリー番号1番、GO!ヒロミ・・・馬の真似やります・・・」
おそろしく不可解なリズムに合わせてヒヒーン、ヒヒーンといなないた後、着ているTシャツをゆっくりゆっくりめくり、 乳首をいじりながら、「・・・アメリカ・・・」と恍惚感全開で呟く。
次。「エントリー番号2番、GO!ヒロミ・・・牛の真似やります・・・」
おそろしく不可解なリズムに合わせてモーモー叫んだ後、着ているTシャツをゆっくりゆっくりめくり、 乳首をいじりながら、「・・・アメリカ・・・」と甘い囁き。
あとはルーティーンワークで「レッツゴー、レッツゴー、ヒロミゴー」のテーマを熱唱。
これだけでヒロミのテンションはグングンあがり、最近得意としているらしい説教漫談へ。まるで松本人志のように笑いについて熱烈に語り、 客はアホだと3分ぐらい罵倒すると(笑いを取る意志はこの時点で既に皆無)、
「いいか。本当の笑いは(頭を指差し)、ここだ。頭なんだよ。ア・タ・マ。 ここで理解するしかねえんだよ! そして俺はもっともハイセンスな笑いにたどりついた。何だか分かるか? モノマネだよ!」
と言いながら、昔の彼女の実名を挙げて彼女の物真似をやると宣言。ちょっと期待した私が莫迦だった。
しゃがみ込むと女性が上になった体位の性行為を実にリアルに再現し始める。 それ以上の描写は本当にひどすぎて僕にはできません。本当にひどすぎて・・・
それをこなしてすっかり満足したGO!ヒロミはさらに自分が小学生の時、SEXを見つかった両親、取り繕う母親の再現まで見せてくれました。 僕はどうすればいいのでしょうか。当然その後に出てきた芸人は絶句していました。

つまり芸人というのは常に先鋭的な笑いを求めているものだから、一度方向性がずれると云々とか書こうと思ったが、 そんなことを書いて何になるのだろうか。別に私は何もしていないのに、ここまで読んでくれた人に済まない気持ちでいっぱいになっている。
そういえば昔GO!ヒロミと同時期にライブに出ていた芸人で、「うんこマン」がいた。やたら毛深い全身だがパンツ一枚、 股間には頭部大の作り物の巻き糞を装着。観客の採点による深夜ゴングショーではそれまで100点中70点だった最低点を、 一気に15点までずり下げた男だ。ライブでは手製の巻き糞コマ「うんコマ」を観客全員に配布していた。私ももらった。帰りに捨てた。


11月11日/真ん中をとって緑の党ネーダー氏が大統領当選

結局はエロなのか。この惑星にはエロしかないのだろうか。
詳しい仕組みについては疎いのだが、ホームページにはアクセスログを見る機能がついていて、 このページの場合は毎日午前零時過ぎに管理元から自動的に一通のメールが送られてくる。 それを見ると個人までは特定できないが、練乳工場にアクセスしたプロバイダや時間の大まかな情報が把握できるのだ。
その話はひとまず置いておこう。そして最近のWeb検索ページというのは単語の機械的検索の技術が相当進んでいるようで、 あるページが検索ページに登録してあると、何とそのページにリンクしている未登録のページまで検索してくれるシステムらしい。
で練乳工場は検索エンジンに登録していなかったのけど、どこでどうリンクしたのかは分からないが、 最近1日3、4件ほど検索エンジンから訪れる輩が現われてきた。 そしてそのアクセスログを溯ると、何という単語の検索を調べてここに来たのかが分かるのである。
予想はしていた。予想はしていたけど、本当に検索内容の9割5分がエロ絡みなんて。
一番多いのは女性タレントの名前である。よくあるのが「大橋マキ」。 「きゃわゆいきゃわゆいマキちゃんの画ッ像はどこかニャーン!」と鼻息荒いラ王が世界で一番おいしい食べ物だと思っている、 髭が濃い30代後半の独身国語教師はここに辿り着いて愕然とするのだろう。 画像全くないし。読む根性があったとしても「肥溜めに突き落としたい」とか書かれてるし。 不思議なことにこの国語教師からは「ありがとう!目が覚めました!」といった感謝のメールは届いていない。本当に教師という職業は・・・
他にあったのは「上原さくら」「鈴木杏樹」「古村比呂」「木村奈保子」「島崎和歌子」「渡辺美里」など。 素直な文脈で取り上げられた人物は誰もいない。しかし渋い人選である。島崎なんか該当2000件中の400番目くらいだった。 そこまでして島崎の何を知りたい? デビューが小沢なつきと同期ぐらいの情報は教えてやろう。 そして意外によく検索されるのが「緒川たまき」であることも追記しておきたい。
しかし女性タレント名の一本釣り検索というのは該当ページが千とか二千とか平気でヒットするので、 普通の人は調べたい単語を複数使うことで該当結果を絞ろうとする。当然、それもエロ単語であります。
「鈴木あみ/おっぱい」。そのまんま。しかしこういうストレートなのはまだ気持ちいいくらいで、 「西川口/サロン」、「くいこみ/ビキニ」も正統派。
「タモリ倶楽部/パンツ」。オープニング画像でも捜していたんだろう。そんなに見たいか? あれタモリの尻ということを知ているのだろうか。
「駅/ゲロ」。別にエロくはないが、そんなの調べてどうするつもりなのか。「やぎの目」の林雄司か、こいつは。
「デベソ/ビキニ」。これは今までに2回あった。意外とデベソというのは性的需要が高い世界なのかもしれない。
「立命館/巨乳」。「神様!僕に立命館に通う巨乳のショットだけを集めたページを!」と検索したのは間違いないが、 いくら細分化されたエロ界とはいえどう考えてもある訳ないだろ、そんなページ。少し考えれば分かりそうなものだが、 夜中パソコンに向かい「おっぱい」と描かれた鉢巻きに蝋燭姿でエロに没頭している男子の胸中は図りしれないものがある。
「水泳/剃毛」。これはエロ文脈で検索したのではないかもしれない。中学生の女子水泳部員が処理の仕方を誰にも聞けず、 さりげなくアドバイスしてくれる義姉さんみたいなページを求めてここにやってきたのかも! ウェルカムブラ未使用少女! ホットケーキを食べながら僕といっしょにラルクの魅力を語ろうよ(中学生に対するフルスロットのイメージ)! 絶対そんな事はないけど。「水着」ではなく「水泳」の検索であるところに陰湿な変態の臭いを感じた。
「手袋/精液」。ディープだ。手袋した状態での処理を好む性的嗜好以外に考えられない。いやそんな変態ではなくて、 ただのゴム手袋に精液を溜めるのが好きな好青年かもしれない。ああもっとディープになっちゃったよ。 それに比べてカラッとしているのが、
「ブルマ/キック」。青空の下でカップルがキャッチボールしているような明るさだよね!チャーミーグリーンのCMにも使えそう! ちなみにこのアクセスは朝の7時! 勘弁してください。
中には3単語の検索で、「小沢健二/マンハッタン/買い物」というのがあった。たまたまこのページがヒットした訳だが、 元フリッパーズギターファンの外資系OLが昔オリーブで見かけたニューヨーク土産プレゼントでも捜していたのだろう。
しかし全く予想がつかないのが、「少年/包茎/助走」だ。らくごのごか?これで三題噺でも作ればいいのか? 「少年」「包茎」は分かるが「助走」?
今後も検索の動向は追い続けたい。しかし「助走」?

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