2004年09月30日

ファミコンで負けそうになると泣きながらリセットボタンを奪おうとする石原慎太郎

メモ。

韓国の統一省が「北朝鮮を脱出して韓国で暮らす住民」の呼称を一般公募したらしい。理由は「脱出住民」など、日本で言う「脱北者」のようなニュアンスの言葉が流布しているため。
意味的には「ハロープロジェクト」でいいんじゃないか?

小噺。
街角に立っているA。向こうから待ち合わせたBがやってくるが、なぜかボロボロの軍服を着て体中が傷だらけ。
A「ど、どうしたんだ!」
B「渋谷の回転寿司戦争に巻き込まれちまった……」
A「傷口にワサビ塗っとけ」

鈴木工公式ルールブックで定めるには「ギャップのある女はエロい」。
つまり「機械弱いんだー、わたし」と言いながらバイブに詳しい女はエロいことになる。
その前にバイブに精通している時点で十二分にエロいんだよ!

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2004年09月29日

『誰が「本」を殺すのか』(一橋文哉・著)

読んだ本を恣意にぶちこむ本棚があって、そこに読み終えた津田大介『誰が「音楽」を殺すのか』を入れた。
するとそのすぐ横には、奇遇にも佐野眞一『誰が「本」を殺すのか』が置かれているではないか。
似たタイトルが並ぶこともあるのだなと思っていたら、さらにその横にあった本がブルーバックスの東嶋和子『死因事典』である。確実に運を消耗するだけのミラクルに遭遇。
なお『死因事典』によれば「音楽」と「本」を殺したのは複数犯で、両者に名前を連ねていたのは渋谷陽一だけでした。

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2004年09月27日

「ずっと探していたんだよ」って、おまえは辻仁成か

刀根麻理子が結婚。
http://www.zakzak.co.jp/gei/2004_09/g2004092701.html
ただ単に「美人ポップス歌手」が結婚したという話題であるにかかわらず、読後には釈然としないものが色濃く残る。それは聞き流しにくい単語が文中にちらばっているせいであろう。
「ダイニング&ギャラリー・今人(いまじん)」「婚姻届の証人欄にちばてつや」「ラプンツェル本部」「髪日和〜出張美容で髪も心も輝いて」「既に親と同居で婿養子」「(旦那に)直木賞を取らせるのが夢なの」
一つ一つは小さな地雷を集めたら火薬庫になってしまった感じ。刀根麻理子の本名が万里子であることにすら、よからぬ意図があるように思えてきて仕方がない。中学校時代、頑なに「好きな女性のタイプは刀根麻理子」と宣言していた友人の奥本はこれを読んだら何と思うか。中学生だったのに唯一の持ち芸が遠藤周作の顔真似だった奥本。

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2004年09月26日

マッキンリーに消えたあるある探検隊

『誰でもピカソ』お笑い居酒屋の回を見る。
普段ネタ番組を録画しても早送りして見るキングコング。そのせいで尋常でない動きだけ残像に残る梶原がハプニングからネタを跳ばした。そこからネタはずるずるの展開に。しかしそれが嫌味ではなく面白かったのである。破綻していく過程を開き直って見世物に昇華する技量に才気を感じた。
一方『笑いの金メダル』ではレギュラーが登場しただけで歓声が。私の世界地図上では『笑っていいとも』同様に存在しない『エンタの神様』にでも出演しているのだろうか?
最近レギュラーを見始めた者は、売れて調子に乗った二人がふざけているように映るに違いない。しかし実際のところ、二人は売れていない頃から同様にふざけていたのだ。
それでも西川の髪型はまともだったので、あの角刈りは「本気でふざける」という決意表明なのかもしれない。

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2004年09月25日

短冊に「誰か仙台七夕祭りの面白さを教えてください」と書いてみる

新球団本拠地として仙台を指名した楽天とライブドア。
これに地元企業が黙っているわけがない。いずれは藤崎、ベニーランド、はんだやも参戦を表明するはず。私の調査によれば、3企業とも売上高、従業員数、六本木ヒルズにおける事務所の広さ、いずれもライブドア&楽天と遜色ないのだ。チーム名は「藤崎三郎スケーズ」「八木山サイクロン」「はんだやスーパーセルフサービス」あたりで。面倒くさいなら「萩のムーンズ」でもいいや。
負けた企業は宮城県の支援を受けながら、くりこま高原をホームに二軍を支援すればみんな納得。全員優勝。笹かま大爆破。

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2004年09月24日

兎の眼。義眼のバニーガール

松尾スズキ監督『恋の門』の主役ってソラシドの本坊?

石原慎太郎の半生を追ったノンフィクション・佐野眞一『てっぺん野郎』を読む。
私は石原慎太郎が嫌いだ。デリカシーがなさすぎるから。
とはいえ案の定な唯我独尊ぶりが描かれるこの本は大作なだけあって、微笑ましいエピソードもいくつか。
湘南高校を休学していた慎太郎の行動。「「自己劇化」の衝動に駆られ」「自分の描いたスケッチを、当時、自分の唯一の理解者だとして信じて疑わなかったジャン・コクトーに送ろうとした」。
作者は”これは自己過信というより、もはや完全な自己狂である”と断じているが、そんな小難しいものではなくて、ただの”莫迦”である。知能や教養では対応できない、青春ノイローゼの麻疹にかかった莫迦。
そんな意外な人間味を見せる水島新太郎じゃなかった石原慎太郎は数年前、小樽にある母校の小学校の100周年記念講演会に招待された。まずは故人になった恩師の家を弔問し、五体投地で礼拝するという衝撃のツカミを展開すると、文学館や宴席など訪れたあらゆる全ての場で、関係者を怒鳴りまくる小粋なアバンチュールを謳歌する。
その剣幕に震えたPTA関係者が恐る恐る公演料を訊ねると、慎太郎は「母校の100周年におカネ取るはずないでしょ。そんなカネがあるんなら、本でも買って図書室に石原慎太郎コーナーでも作りなさい」と笑ったという。
ここまでは”悪いように見えて実はいい人”の常套エピソードである。しかし注目すべきは結びの一文。
「後日、そのPTA関係者が本のリストを送ると、これだけは絶対除外しろ、といって灰谷健次郎の著書を指定してきた」
なぜ灰谷健次郎嫌いなのか一切の説明なし。『兎の眼』ではなくて、チムポを障子に突き刺す『太陽の季節』や、輪姦した女の子を最後は崖から突き落とす『完全な遊戯』を子供に読ませろということか。大体、こんな小説書いておいて有害図書指定も何もないもんだ。
ところでどうでもいいことも執拗にかき回す佐野眞一は、この本ではテーマと限りなくつながりが薄い樺太とベトナムにまで足を伸ばしてる。スケールがでかい無駄足。

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2004年09月23日

アイドル寝起き急襲を家宅侵入罪として再逮捕

笑いの教科書・30ページで指導されている反復の技法。
うけたギャグを再度繰り返し、忘れかけたタイミングで軽いアレンジをくわえてもう一回。4度目は相手も警戒しているのため、全く異なったバリエーションで差し込む。これは笑いの基本である。しかしこの法則を誤ったのが、田代まさしであった。
本来ならば、まずは盗撮で逮捕。2度目もまた盗撮でおロープ頂戴。3度目に高性能レンズの密輸で関係者が芋蔓式に洗われる中、足がついてやっぱり逮捕。そこで世間が「次も盗撮で捕まるぞ!」の空気になった時、ようやく満を持して覚醒剤不法所持であろう。
しかし田代は2度目からいきなり、のぞき容疑で家宅捜査→覚醒剤さんがこんにちは!(昔、マーシーがパンツを脱がせる表現として好んで使っていたメタファー)を繰り出してしまった。勝手にハードルを挙げておいて、3発目は軽い人身事故という納得がつきかねる結果に。そして4発目が再び覚醒剤の所持では「もう、それ見たって!」と言わざるをえない。
世間が田代に感じているのは義憤ではなく、バラエティタレントとしての仕事を完遂できなかった苛立ちなのである。

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2004年09月20日

多田野投手はデモ行進とゲイパレードの両刀使い

この週末、プロ野球選手会がストを断行した。
一連の動向によってはっきりしたことは何か。球団経営者陣の閉鎖的な体質? 否。巨人至上主義が招いたバランスシートの崩壊? それだけではあるまい。
何よりもはっきりしたこと。それは古田の妻として小さく注目を浴びる中井美穂が、おそろしくこまかい仕事をこなしている事実だ。唐沢寿明トークショーの司会、ペットの健康保険をPRするイベントの司会、東武百貨店レストラン街の試食イベントに出席。試食イベントって、ちょっと待てばデパート地下で試食できるだろうに。
それでも大神いずみはもっとミクロな仕事を拾っているのに違いないのだった。

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2004年09月18日

なまはげが未熟児に今すぐkiss me

リンドバーグのベスト盤を借りたのである。『Dream on 抱きしめて』が聞きたくなったのだ。
と、上の文を素直に書けない私がいる。だってリンドバーグ。それも『Dream on 抱きしめて』。これ以上恥ずかしいタイトルは同アルバムに収録された『清く正しく行こう』ぐらいしか見当たらない。正直、そんな青い曲が好きなのかという目で見られるのが怖い。なんせサビの歌詞が「諦めないよ走り続けたい」だから。
違う。誤解である。私はそんな歌詞に感動した覚えは全くない。私はこの曲のメロディが好きなだけだ。

畜生!さっきから何故に俺は言い訳を重ねているんだ? 好きならばどう見られようと関係ないじゃないか! ド畜生! 自分に反吐が出ちゃうよ! 俺、へっぽこ野郎!(ネコ型プロレスの真似)
そんな葛藤の果て、「聞きたいのは『Dream on 抱きしめて』のメロディだけ!」と何度も呟いて自分に折り合いをつけながら、ディスクをコンポのトレイに押し込むのだった。
そして結局『だってそうじゃない?』を何度も聞いている。俺、リンドバーグが好きなのか?

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2004年09月17日

行列はできるが上訴はできない法律相談所

『笑いの金メダル』に尾崎豊ネタの井上マーが登場。そこに「島田紳助推薦」のコピーが。
狼少年を大プッシュした時から高度すぎるトークの才能に反して、紳助の芸人評価能力には大いに疑問を抱いてきたが、これではっきりした。要するに紳助は”不良”が好きなだけなのである。それも長ランや尾崎といった記号としての反骨精神がど真ん中のツボ。その記号を発していれば笑えるかどうかは二の次であって、笑い飯を過剰に評価するのもネタというよりアンチな空気感に魅かれているのではないか。
M1の審査席で笑う時、紳助は常に松本人志に対して微妙な角度で体を向け、笑いの目線が一緒であることを視聴者にしつこくアピールしている。20年前、一早くダウンタウンの才能を見出した紳助にとって、M1は笑いの評価軸がブレていないことを誇示する大規模な延命装置なのかもしれない。そしてそれはいつかコント赤信号クラスのベタな”不良ネタ”が登場した時、綻びを見せることだろう。
「おまえらサラブレッドちゃうねん。地方競馬の馬や。絶対G1取られへんって分かってるけど、つい馬券買ってしまう。それで俺は一人だけ高得点出したんや。笑いちゃう、これはロマンやねん。俺もあったでー。漫才ブームの時、ツービートやB&B抑えてトップでゴールしたんや。やったーって竜助と抱き合って泣いてたらな、周回遅れやったんや。その時、のりお・よしおはまだパドックの中をグルグル回ってたけどな……」(想像)
「なんでも鑑定団」に出品されたなら、今でも紳助の話芸は8ケタの金額は下らない高級品だ。しかし芸人鑑定眼は中島誠之助の眼力ではなく、完全に吉田真由子のそれ。

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2004年09月16日

堀江社長・最大の問題点は顔がスタッフ面

楽天がプロ野球参入へ。今、日本で儲かっている企業はIT関連だけということか。
この際、パリーグは全部”IT勝ち組”に身売りしてしまったどうだろう。オリックスは楽天、近鉄はライブドア、西武は適当な森林を開拓してボロ儲けしたからamazon、ダイエーは小売ということでソフマップ、ロッテ・日ハムはベッコアメとかクレイフィッシュとか「ほぼ日刊イトイ新聞」とかそのへんで。ついでに広島カープは赤いからヤフーBB、NOMOベースボールクラブは名前が似ているからJOMOに売っちゃえ。
六本木ヒルズに集まって、パワプロで決着つければ運営費も安くつく。選手の年俸も肖像権料だけで済むし。

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2004年09月15日

コントロール止めて心はセンチメンタル(河合奈保子・談)

好きなアーティストだからという理由でCCCDを購入しては幾度も再生し、結局読み取りに疲弊したコンポを故障させている奴は、毎日好きなコーラをたらふく飲んで成人病になるデブと同じ。
そこに覚悟はあることは認めるが、思考はない。
何ひとつ。

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2004年09月14日

味噌ダレがかかったアナゴ丼を目撃(実話)

日帰りで名古屋へ。行って取材して帰って、滞在時間は実に4時間。
自分がどこにいるか分からないなんて人気バンドのツアーか。もちろん4時間の中で3人のグルーピーと寝てきました。
Tシャツにミソカツの染みが残っていなかったら、夢だと信じていたに違いない。地元のカメラマンが語っていた「人気手羽先チェーンの××を取材したら、社長が出てきて「ウチの味の秘訣はこれだよ!」と笑顔で味の素振ってたんだよね!」という話を含めて。

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2004年09月13日

しゃぶしゃぶ鍋型回転プールでデブが遊泳

友人のNは肉とラーメンをこよなく愛するハイカロリスト。最近聞いた衝撃発言の数々を。
「近ごろ、ラーメンの麺とスープに目覚めたんだよね。子供の頃からラーメン食べてきたけど、これまではチャーシューにしか目が向いていなかった」
「ラーメンは2食連続でも全然平気。だって醤油、味噌って味が違えば別の食べ物じゃない?」
「最近は痩せるように気をつけているので、ファーストフードでハンバーガーを2個頼まなくなった。今? ハンバーガーとポテト食べています」
「先週は羊肉を3回食べたよ。羊肉は好きという感情を超えているかもしれない。ライクというかラブ、ラブというよりラムだね」
ちなみに上記の2つは、焼き肉屋で肉をつつきながら語った言葉だ。サラリーマンは食事中も仕事の話しかしない、という私の中の法則に照らし合わせるならば、Nの仕事は”食肉”ということになる。

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2004年09月11日

池ガナイトコロデ櫂

zepp tokyoで岡村靖幸のライブを見る。
近年復活してからの岡村は、過去に好きだった頃の貯金を運用しては評価額の帳尻を合わせて、自分の中で正当化している感じだった。
でも今日のステージはそんなやりくりを必要としなかったのである。『ライオンハート→愛してくれない→イケナイコトカイ』の弾き語りも、『カルアミルク』も。13年前の秋、NHKホール3階席の最後列で同曲を聴いて、小さく体を震わせた17歳の自分をはっきりと思い出した。
岡村はあの頃と何も変わっていない。体重が3倍になって、ダンスの8割が手をバタつかせる動作に落ち着き、足を上げるムーブが「今のって脚気の検査?」と思わせること以外は。
私は決めた。今日から肥えた岡村がスタンダードの姿ということに。昔の岡村はちょっと栄養が足りていなかっただけ。骨の発育が人より遅れていただけ。第三次性徴と第五十三次思春期がやって来るのはこれからだ。

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2004年09月09日

フレディ・マーキュリーはミスター・グラビアクイーン

グラビアアイドルについて思うことを徒然と。

最近知った海江田純子というアイドル。
どれだけスケール大きな名字なんだと思っていたら、芸能界に入ったきっかけは「熊田曜子さんに憧れて」。
それでは艦長には届くまい。せいぜい水面に浮かぶ盥(たらい)の主ぐらいだ。

東京事変のPVに出ている椎名林檎は、イエローキャブで十把ひとからげにされているB級アイドルフェイス。

もしあなたが『やりにげコージー』で、
「よくグラビアアイドルの子で集まって仕事の相談するんですー」
「今田さんはすっごく評判いい! でも東野さんは、あんまり……」
というゲストのトークを何度も見たなら、それはデジャブではない。使い回されたネタだ。
若槻千夏、安めぐみ、熊田曜子。全員が申し合わせたように同じ話をしていた。ここまでくるとネタというより、”共有財産”と呼んだ方が正しいのかもしれない。グラビアアイドル、キブツ(イスラエル)へゴー。

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2004年09月08日

ワダツミの木を伐採してオーガスタキャンプ場を設営

タワーレコードでカップルの会話が聞こえてきた。
「あ、このCD、元ちとせだー。オレ最初さ、”げん・ちとせ”って読んじゃったんだよね!」
なんだか音の振動を伝えた空気にすら申し訳ない気分になる。そこに「面白い・面白くない」「うける・すべる」の二元論は存在しない。ただ思ったことを口にしただけ。反射とか虫とか、そういうやつ。

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2004年09月07日

日本のShcool of Rockは陸軍中野学校

先日『Shcool of Rock』を見た。
映画の中盤、デブ教師がライブのステージを一人で再現する場面がある。これを演じられる日本人は柳沢慎吾しかいないと確信した。というか柳沢慎吾の”一人甲子園”に影響を受けて、あの演技が生まれたのではないか。
そして先ほど見た「アメトーク」で、慎吾は放送される季節も与えられた尺も無視して今日もドゥ・ザ・甲子園。
私の中で10年間滑り知らずの芸であるのと同時に、10年間出てくる野球部が”智辯和歌山”であることも変わらない。それはもう、とこしえに。

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2004年09月05日

立ち漕ぎ

その人気のない道は大通りへとつながっている。私が自転車を漕いでいると、向かいから二十歳を少し過ぎたぐらいの女の子が現れた。
人が行き交うのにも肩をぶつけそうな隘路だ。お互い道端に寄る必要があるなと考えていると、彼女は背中を壁に密着させて道を譲ってくれた。
気の利く女性である。軽く頭を下げてすれ違った瞬間、彼女は小さな声で呟いた。
「おゆき」

興奮のあまり、私は下り坂にさしかかっても猛烈な勢いでペダルを踏んでいた。

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2004年09月04日

笛と上戸彩と綾戸智絵

「ブログ」ではなく、私は「ウェブログ」と発音する。
略語が日本語を衰退させる、というような一家言は全くなく生理的に嫌なだけだ。頭文字一文字ぐらい省略しないで声に出せばよい。
「ウェブログ」が「ブログ」になる法則でいくと、「ウェトアヤ」は「トアヤ」だ。「トアヤ」。柔道ショッキングピンク帯(初級者)のかけ声である。
「ウェンズデー」は「ンズデー」。ギニアの高官か。
「ウェを向いて歩こう」は「を向いて歩こう」、「ウェケブクロ」は「ケブクロ」、「ウェ・アー・ザ・チャンピオン」は「字(あざ)のチャンピオン」。とても愛着が持てそうにない。
他に頭文字一文字を省略するずぼらな単語があるのかと考えてみたところ、「喫茶店」→「サテン」が同類だ。
しかし「サテン」は「喫茶店」のためにある言葉ではないだろう。「サテン」といえば「テレ・サテン」の愛称なのだから。

以上、寝起き間際の脳を通過したので目覚めてすぐにメモしたネタ。眠る前にゆらゆら帝国を聴いてるせいか、私のヘッドの中に誰か棲みついてるような気がしてきた。

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2004年09月02日

写経のアルバイト、雇用主募集中

6月以降、どういうわけか仕事の発注がばったり途絶え、最近は半無職状態の私だ。家で穀を潰してるのである。くすぶっているのである。
その不安を紛らわすため、日々、ドトールコーヒーで図書館の本を読むのだった。
こういう時、経済学理論の本に目を通すと、目からウロコの至言が埋もれている。
たとえばマルクスが『資本論』で語るには、
「給与を授かる労働に従事しない生活を送る限り、貯金は減少する」
かって私はこの理論に懐疑的な立場を貫いていたが、今は素直に頷ける。正しい。はたまたケインズは『雇用・利子および貨幣の一般理論』でこう主張した。
「月の収入が家賃を下回った場合、生活は逼迫する」
20世紀初頭にこれほどの理論を構築していたとは……古典派経済学も侮れない。また『不安の概念』における哲学者・キルケゴールの見解。
「当面の現金収入の見込みがない者は、グラスビール500円の飲み屋に入店する勇気を失うだろう。やがて彼は自炊に溺れ、冷蔵庫の野菜室が充実するのだ」
キルケゴールもデンマークのハローワークに通っていたのだろうか?そしてデンマークの離職票を提出して、3週間に1回、デンマークの失業認定を受けていたに違いない。最後に聖書「マタイ伝」の一節を。
「仕事がない時って梨が旨い」
旨いんだこれが。俺もおまえもカロリーゼロだみたいな共感覚えて。また近所の八百屋で3個100円で買ってるから、どんどん剥くスピードが速くなっちゃって。
梨が旨いんです。

昨日、岡村靖幸『Me-imi』を買った。岡村ちゃんですら働いてるか?

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2004年09月01日

世界の中心で、「グヤジー」と叫ぶ。

今週の「週刊現代」に掲載された、東海林さだお「サラリーマン専科(第1741回)」がえらいことになっている。
舞台は居酒屋。縞スーツと無地スーツの若いサラリーマン二人が討議している。
縞「世界は愛なんだよ。愛が全てなんだよ」
無地「いやちがう!大切なのは自分なんだよ。じぶん」
そこにからむ泥酔したオヤジサラリーマン。
「なーにいってんだいニーチャンたち。すべてこの世は色と欲!」
酒を持つ彼の手は小刻みに震えている。その証拠に「プルプル」と「小学生のためのマンガ入門」で教わった擬音が。
さてここまでが11コマ中の10コマだ。この展開ではたして収拾が着くのだろうか?
そして最後の1コマで、各サラリーマンに矢印を用いて作者から説明が施されるのだった。
縞には「←セカチュー」、無地に「←ジコチュー」、オヤジに「←アルチュー」






あ! 写したあと、思わず幽体離脱してしまいました!
ここには表現を巡る攻防は何ひとつない。存在するのは、作者の”手癖”のみ。
なお同雑誌で連載されている柳沢きみお「新・特命係長 只野仁」も同類の手癖マンガだが、その量は毎週14ページにも及ぶ。マンガ描くのに延髄しか神経を使わない柳沢きみお。マンガ執筆はボケ防止のリハビリとしか考えていないと思う。

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