嫌なプログラミング

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プログラミングの嫌なところは、その最中、できるだけ他のことを考えず、
地道にしらみつぶしのように作業を進めていく必要があることだ。考えを発
散させたり、ずっと遠くを見通したり、価値について考えたりしていると、
書かれるべきコードは書かれないままになってしまう。だが、プログラムを
書いていると、逆にそういう頭の使い方が鈍る。どっちが自分にとって重要
かと考えると、考えを発散させたり、ずっと遠くを見通したり、価値につい
て考えることだと思うし、僕自身の興味もそちらにある。だから僕はあまり
速いプログラマーではないと思う。僕は、自分がプログラム以外のことを考
えることを止められない人間なのだといつも思うし、その点に関して後ろめ
たい気持ちになることもよくある。

正確には、プログラムの書き方にはいつでもいくつもの選択肢がある。毎回、
それを吟味するのもいいのだが、たいていは一度決めたルールにしたがって
ごりごり書き進めた方が速いのだ。疑うことをやめた方が速い。そこに問題
がある。

「プログラマーは SE より価値が低い」という社会通念は僕は必ずしも正し
いとは思わない。いずれにせよ、どういうプログラムを書くべきか考えるこ
とに多く時間を使うべきで、それに意味があるからプログラムは動くべきで
あって、だからプログラムを書くことにも意味が生じる。どういうプログラ
ムを書くべきか考えることより、プログラム自体を書かなくちゃいけない時
間が長いとしたら、少なくとも僕自身はもうプログラムを書くべきではない
と強く思うし、そこに切実な危機を感じている。僕が今感じているいらだち
の大きな部分はそれだ。

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このページは、notoが2003年10月21日 00:23に書いたブログ記事です。

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