1. 10 年の寿命につきあう気があるか?
うちで金魚を飼っているんだけど、もともとはうちの奥さんが近くの縁日の金魚すくいですくってきてしまったもの。種類はいわゆる和金。
割とこういう軽いノリで金魚を迎えることは多いと思うけど、金魚の寿命は 10 年程度と言われているので、律儀にきちんと飼うと 10 年程度の付き合いになる。まずはそこまで覚悟をもって、その長さを想像して連れてきた方がいい。
ちなみに熱帯魚の方が多少器具が多く必要になるけど、寿命は短い。グッピーは 1-2 年、ネオンテトラなどで 5 年程度と言われている。今の自分なら、次は絶対そういった魚を飼うと思う。その方が気が楽。
2. えさは少なく少なくやるべし
市販のえさの袋には「5 分程度で食べきれる量をあげてください」と書いてあるけど、律儀に 5 分かけて食べるくらいの量をあげているとどんどん大きくなってしまう。最初はかわいいし、水槽に近づくと「えさくれダンス」をし始めるのでついついあげてしまうのだけど、これがあだになる。
うちの金魚は 1 年で 20cm 近くまで大きくなり、水槽を 2 回買い替えることになった (17cm → 30cm キューブ → 60cm)。
その翌年にもまたすくってきてしまったんだけど... 前年を反省してごく少量のえさを与えるようにしたら、それほど大きくならずに済んだ。3 年経ったけど、いちばん大きなものでもまだ 10cm あるかどうかという程度。今は、20cm 近い金魚 1 匹と 5-10cm の金魚 3 匹に対し、朝と夜に 2, 3 つまみあげる程度。
以下、だいたい金魚がこれほど大きくならなければ気にしなくてよかったはずなのにという話。どんなに費用や手間がかかっても、大きな金魚が飼いたい! という場合以外は、とにかくえさは少なく少なくやるべし。
20cm くらいの大きさになると、60cm 水槽 (というほぼ規格品サイズ) が必要になる。これくらい大きいと水の量も 60 リットルくらいになり、つまるところ重さが 60kg 以上と人間の体重程度になる。こうなると、専用の水槽台が必要で、適当な下駄箱の上においたりすると板がたわんで、水槽が割れてしまうこともあるという。60 リットルの水が床にぶちまけられてしまうと考えると... 集合住宅に住んでいる身としては恐ろしい。
3. 意外と必要な器具
金魚は水を汚しやすく、それでいて酸素も大量に必要とする。酸素が必要であれば上部フィルターが向いているが、うちの場合ニッソーのスライドフィルター 600 だけでは水質を維持できず、さらにエーハイムの外部フィルター (エーハイムフィルター 500) も導入した。ろ材 (定番のサブストラット プロなど) も含めると両方合わせて 1 万円は優に超えている。たぶん、ここまでフィルター設備が必要な観賞魚ってなかなかないと思う。観賞魚自体は 100 円とか 200 円なのに...
ただ、これに関しても金魚を大型化させなければだいじょうぶだったはず。
あと、冬だと水温が 18 度を下回って、水槽の下の方でほとんど動かなくなることがある。そういうもんだとわかってしまうと別にいいのだが、体調を崩した金魚と見た目が変わらないため、最初心配になってヒーターを買ってきてしまった。ほら、そんなことするくらいなら最初から熱帯魚でよかったじゃん、ということになる。
とはいえ、金魚も冬期体調を崩すと、別水槽に移して加温して治療してやる必要があるので、やっぱりヒーターは必要だったのかもしれない。
まぁでもさ、ヒーターと外部フィルターがあれば、だいたいの熱帯魚は飼えるわけですよ。
4. 水草水槽は不可
これも金魚が大きくなりすぎたせいだろうけど、アマゾンソードやアヌビアス・ナナといった強めの水草でも金魚は葉を食べたり引き抜いたりしてしまう。水草が強くなるように照明器具も買ったけど歯が立たず。水草に適するソイル (底に敷く土) も金魚が吸ったり吐いたりするため、水がひどくにごりまったく実用にならない。ということで、水草が生い茂った水槽で金魚を飼おうみたいなのは、まったく期待できない。水草があった方が水質も安定するらしいし、いろいろ試してみたけど、もうあきらめた。今はアナカリスという、どこのペットショップでも金魚用に売っている水草が水槽の中をただよっているだけ。
5. たまに病気になる
病気になると、体が横になったり、水面に浮いたまんまになったり、腹が膨れたり、目が飛び出してきたりする。そういう場合は、別の水槽にその金魚だけ移してやって、加温したり、塩水浴させたり、薬浴させたりする。
先日もいちばん小さな金魚が突然死んでしまった。もともと体力が無さそうで、えさに対するがっつき方も弱い個体だったのでしかたないんだけど。こう書いておかないと忘れそうなくらいだ。
以前、大きな金魚が死んだときの話はこちら。
まとめ
飼う前に知っておいた方がよいこと、気をつけた方がいいことはここまででだいたい書いたつもり。
最初はやっぱりかわいかった。この感覚はたぶん飼いはじめの人で、金魚に愛着を持てた人とは共有できると思う。人間以外の生き物の動きというのは観察のしがいがあり、意外と見ていて飽きないし、それを家で気軽に見られるというのはよいものだ。朝になれば元気だし、夜になると眠りに入ろうとする。人間が近づくと、えさくれダンスをするし、離れればあきらめるという反応を見るのもいい。一定のパターンしか無いような気がするけど、ある種の意思疎通のような感覚も得られる。せまくて申し訳ないなとか思ったけど、意外と水槽の中でのんびり楽しく過ごしているように見える。
まぁでも、10 年見続けたいものでも無いなというのが 4 年近くたった今の感想。こういう風に言うのは家にいる金魚に対し不義理かもしれないけど。
ベランダや庭に大きめの瓶 (かめ) でも買って、金魚と水草を大量に入れて、あとは放っておき、たまにのぞき込んだら元気に生きてる、くらいがちょうどいいような。今後一軒家に住むようなことがあったら、そのときは試してみるかも。
投稿者 noto : 2009年05月24日 12:33