マイケル・E・ポーター,『競争戦略論 I』, ダイヤモンド社, 1999.
「第 2 章: 戦略とは何か」より引用:
競争戦略の本質は差別化である。つまり、意図的にライバルとは異なる一
連の活動を選び、独自の価値を提供することである。(p. 76)
戦略とは、他社とは異なる活動を伴った、独自性のある価値あるポジショ
ンをつくり出すことである。(p.90)
戦略的ポジションが維持可能であるためには、どうしても他のポジション
とのトレードオフ (二者択一) が必要である。(p.92)
戦略とは、企業としての活動のあいだにフィットを生み出すことである。
戦略が成功するかどうかは、多数のものごとをうまくやり (少数ではいけ
ない)、しかもそれらを統合できるかどうかで決まってくる。活動がお互い
にフィットしていなければ、明確な戦略もありえないし、競争優位もまず
維持できない。そして、経営は個々の機能を監督するという単純な仕事に
なってしまい、組織の相対的な業績は、オペレーション効率だけで決まっ
てしまうことになる。(p. 109)
一方、この章は「オペレーションの効率化は戦略ではない」という言葉から
始まる。オペレーション効率とは何か:
オペレーション効率とは、同様の活動を競合他社よりも上手に行なうこと
を意味する。オペレーション効率とは、単に効率だけに限定される概念で
はない。たとえば製品不良率の圧縮や製品開発の迅速化など、投入資源を
より効果的に活用するすべての実践を包含するものである。(p.69)