Apple Wireless Keyboard の英断

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なんか 24 インチディスプレイを縦にしたら妙に興奮して疲れてしまった。

さておき、昨日の夜発表になった Apple Wireless Keyboard
http://www.apple.com/jp/keyboard/
が、見事にテンキーレスになっている。

先日のキーボード購入前にけっこう調べたんだけど、デスクトップ用のキーボードはテンキー付きが圧倒的に主流で、Cherry 製メカニカルスイッチを採用した FILCO のものでもほとんどがテンキー付き。テンキーが無いと思うと日本語配列だったりするし。

たぶん、PC 使っている人の半分くらいはノート PC を使っているくらいだから、PC を使う上でテンキーが無くても実用上まったく問題がないはずだし、むしろ日本の住宅や職場事情を考えるとテンキーなんて無い方がいいはずだと思う。それなのにどういうことよ、と思っていた。

そこで、今回の Apple Wireless Keyboard。ワイヤードより値段の高いワイヤレスモデルをテンキーなしで発売。

ふつう、製品ラインナップというのは高い方をより魅力的なモデルにする。今までのキーボード製品の流れからすれば、

 テンキー付き製品が多い = テンキー付きの需要が高い

はずだから、アップルの上位モデルだってテンキー付きになるはずである。

でもテンキーなしをワイヤレスモデルにしてきた。

ということは、「テンキーなしのモデルの方が実は人気があるはずだ」とアップルは「読んだ」のではないだろうか。「ワイヤレスはちょっと高いなと思う人でもテンキーレスにひかれてワイヤレスモデルを選んでくれるはず」というように。

個人的にこれで「本当はみんなテンキーレスモデルを求めてたんじゃん」という流れができて、テンキーレス製品が充実してくるのを期待してる。
(まーキーボードに何かを期待しているやつなんてそもそも少数だろうけど)

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さておき、SMK のメカニカルスイッチキーボードを買った直後の発表だったので、個人的にちょっとしくったかなと思ったりした。

最初 MacBook のこの変な形状のキー (キーは「まったいら」、キーとキーとの間はパネルで埋められている) を見たときはなんじゃこれ? 昔こういうペラペラのキーボードのノート PC が三菱から出てたよな、とか思った。でも実際 MacBook を常用してみたら全然悪くない感触だった。むしろ最近のデスクトップ向けのアップルのキーボードより全然良いタッチだし、MacBook Pro のものより良いという評判も聞く。

僕はもちろん感触は今回買った cherry 茶軸の方がもっと好きなんだけど、まぁあのキーをベースにしたものであれば、今回のも悪くないと思う。アップルのサイトによると「スタイリッシュでコンパクトな本体にすっきりと埋め込まれたキーは歯切れよく、ほどよい手ごたえが感じられます。」とのこと。MacBook のキーボードよりクリック感があるものになっていたら、やっぱり「失敗した」と思ってしまうかも。

あとさ、「デスクトップ用のキーボードの方が、ノート PC のキーボードより高品質である」という常識をひっくり返してきたのもおもしろい。「MacBook のキーボードって意外といいし、これと同じ機構を使えば薄いデスクトップ用キーボードが作れてかっこよくねー?」みたいな。頭の固い人はペラペラの写真を見て「ありえねー」「なんでわざわざノート用キーボード?」って思うかもしれないけど。

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一方、iMac はどうなんだろう?

自分はふつうに UNIX 環境に X じゃない洗練された (そして実は細部までよく考えられた) UI がのっていて、さらに iTunes とか Safari とか iPhoto とか Apple のアプリケーションも動いていてこれ以上は無くね? という部分が一番大きくて Mac を使っている。もちろん、ハードウェアも形がある以上かっこいい方がいいし、MacBook とかかっこよくて気に入っているけど、僕の家にあるのは Dell のディスプレイに SMK のキーボードで、肝心の Mac mini は隠れているから、遊びに来た人は机の上にあるのが Mac だとはたぶん画面のなかをじっくり見ない限り気づかないと思う。

今回の iMac について、スティーブ・ジョブズは「プロフェッショナル向けの製品で使われる 2 つの素材に注目した」とのこと。その 2 つが、アルミニウムとガラスだという。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0808/apple5.htm

こういう経緯を聞くとやっぱり Mac って部屋や仕事場に置いて「その存在自体がかっこいい」と思わせたい人向けの製品だったんだとあらためて思わされる。

どちらも「リサイクルが容易な素材」と言っているけど、本質的にはそのモデルを捨てる時、ディスプレイもいっしょに捨てなくちゃいけない方が問題だと思うよ。iMac って、そのへんがどうも気持ち悪い。

分野は違うけど、パタゴニアのような、実用性, 機能性と環境への影響, リサイクルを徹底的に追求して素材を選ぶラディカルな姿勢にくらべると、どうしても浅はかな印象を与えてしまうというか。

まぁ iMac の代わりが「すごくかっこいいアップルのディスプレイ + Mac mini」の組み合わせがだったら、かっこいいもの好きの消費者はアップルのディスプレイしか買わないかもしれない、ということか。難しい。

追記:

iMac の内蔵液晶パネルは今後発売される iMac に移設可能で、つまり今後は液晶パネルなしの iMac も購入できるというのはどうだろう?

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膝に置くときに楽だ、ってのが理由としてあるみたいです>ワイアレス。だけど、それならポインティングデバイスも付いてないと意味ないんじゃないかと思った。

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このページは、notoが2007年8月 8日 23:15に書いたブログ記事です。

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