統計的手法というのは母数が大きい方が機能する。いわゆる戦略コンサルタ
ントが得意とする手法は統計的手法中心であるから、大企業を顧客にした方
がうまく機能するし、だから大企業を顧客にしたがると言われる。MBA コー
スで学ぶ内容の概略を説明した本などを読むと、ほとんどが大企業を前提と
した方法論であるような印象がある。
転職していわゆる「大企業」をいったん離れると、大企業相手のビジネスや
大企業自体に戻るのが難しいと言われる。無根拠に言われているきらいもあ
ると思うが、そう言われる理由の一つに、大企業で重宝がられる方法論と、
小企業で活きる方法論が違うというのはあるだろう。もうひとつは、スタッ
フの母数が大きい企業の方が企業内での競争が促進されるというのもあるか
もしれないが、これは今回のテーマから外れる。
一方、小規模なチーム、もっと言うと小規模な企業が、小規模であるメリッ
トを活かす方法論というのも、間違いなく必要である。僕個人の経験からす
ると小規模企業では方法論が軽視される傾向があると思う。また、ノウハウ
が個人にだけたまっていて、組織に蓄積していかない。似たようなケースが
何度も起きているのに、組織に方法論が蓄積していないから、毎回対処法を
ゼロから作るということをしているということを目にするし、そもそもそれ
に疑問を感じていなかったりする。
個人的には少し挫折気味であるが、それでも僕はまだ小規模なチームの可能\n性を信じていると思う。もしそうなら、僕はもっとその「小規模であるメリッ
トを活かす方法論」というのを学んだり、作ったりする必要があるのだと思
う。
もしかしたら、ある程度大きい企業の中の方が小規模チームの良さが活きる
んだったりして? そういう仮説も頭の中に入れておく必要がありそうだ。