サポートというのは、対象時間に問題が起きたらすぐに (あるいは規定時間
以内に) 対応しますというサービスで、一方、開発というのはある期日まで
に何かを作って納めますというサービスである。
持てる時間をみっちり使うようなスケジュールで開発を行うスタッフが、サ
ポート業務も同時に行うのは無理である。簡単なことで、サポート対象時間
に問題が起きると、予定していたスケジュール通り開発を進めることが難し
くなるからである。まずは、前提としてこの認識が必要である。
しかし、実際のところサポートに割かなくてはいけない時間というのは、サ
ポート対象 (機器, ソフトウェアなど) の種類や規模、サポート対象時間な
どによって、統計的に何時間/月くらい、何時間/週くらいかかるということ
を割り出すことができるはずである。もちろん、その値の分散も計算できる。
とすると、それらの統計的なデータに基づいて、開発に割り当てられると想
定できる時間を算出し、その時間内で開発を進めればサポートによってスケ
ジュール通り開発ができないというリスクを低くできる。
もうひとつ言うと、こういう統計的な手法というのは、母数が大きい方が機
能する。裏を返すと、母数が小さければ機能しない可能性が高まるというこ
とだ。実際のところ、平均的にはサポートにかかる時間はこれくらいだろう
と分かっていても、もし際限なく問題が起こるような事態になってしまうと、
開発に割ける時間は限りなくゼロに近づいてしまう。これが、サポートとい
う仕事の本質だ。サポートと開発を同時に行うという体制でリスクを軽減す
るためには、やはりスタッフを増やすという方針が必要になってくる。