たまたま本屋で目について購入。24歳で (合法的に) 貨物船に乗り込んでヨーロッパに渡り、指揮者コンクールでの優勝やオーディション突破を経て、ニューヨーク・フィルの副指揮者として日本公演をするために帰国するまでの 2 年半を自らつづった本。『のだめカンタービレ』の真一をまさに地でいく内容で、コンクールの中、オーケストラがわざと間違った音で演奏するところ 12 カ所を 5 分で全て指摘したというエピソードも含まれている。
「留学先を決めて渡欧するんだよな」と思っていると、まったくそうではなくて、それも先が読めないおもしろさにつながっていると思う。
昭和 37 年に出た本なので、最近になってから書いた回想録ではなく、その日本帰国直後くらいに書かれたもののよう。時代背景は今とは全然違うけど、それでもぜんぜん古くさく感じないのが不思議。